メタトロン (ガンダムシリーズ)

メタトロン（Metatron）

メタトロンは、富野由悠季の小説『ガイア・ギア』およびその派生ラジオドラマに登場する架空の組織で、主に地球連邦政府に対する抵抗運動を展開する。初めはズィー・ジオン・オーガニゼーションとして知られていたが、後に組織名が改名され、メタトロンと呼ばれるようになった。ここでは、メタトロンの概要や歴史、主要なメンバーについて詳しく解説する。

概要

メタトロンは、反地球連邦運動の一環として活動し、地球連邦政府及びマハと対立している組織である。ラジオドラマの中では、ズィー・ジオン・オーガニゼーションという名称は用いられず、新たにユーロ・メタトロンという組織が言及される。このユーロ・メタトロンは、各種艦艇を保有しており、主に諜報活動を行っている。

名前の由来

メタトロンは元々、スペース・コロニー「シャダイ」に由来している。このシャダイはヘブライ語で全能の神を指し、数字314に関連付けられ、組織のコードネームとして象徴的な存在となっている。新しい名称を選んだアフランシ・シャアは、「メタトロン」という名前が全能の神と大天使を示す重要なものであると認識し、より適切な名称とした。

シャア・コンティニュー・オペレーション

このプロジェクトは、伝説的人物シャア・アズナブルの細胞をクローン化し、彼の記憶を持った生体を生み出すことを目的としている。実験の結果、アフランシ・シャアという存在が誕生し、彼はメタトロンの総帥として活動を始めることになる。アフランシは、シャアの遺伝子を引き継ぎ、彼に関連する記憶を持つことで、組織の活動において新たなカリスマとなるべく、各種活動を展開していく。

組織の歴史

メタトロンは、最初はズィー・ジオン・オーガニゼーションとして設立され、その背景には地球連邦政府の腐敗を指摘する人々がいた。彼らは、シャア・アズナブルの理想に共感し、彼を再生させる計画を進めていた。組織はスペースコロニーからの独立を目指し、その間にさまざまな秘密基地や艦艇を建設。活動の強化が図られたが、内部分裂や外的な圧力が影響し、組織の統一性が失われていく。

メタトロンの現在と終焉

メタトロンはアフランシ・シャアを総帥に迎えたものの、組織内での彼への支持は次第に薄れ、彼がシャアそのものに固執しない姿勢が問題視される。最終的に、連邦政府との交渉においてアフランシの排除が決定され、メタトロンは組織としての活動を終えることに至った。しかし、この過程で組織にかつての理想に基づく活力は戻ることはなかった。

主要な拠点と構成員

メタトロンの活動拠点は、おおむね三つの基地に分かれており、それぞれに異なる目的と機能を持たせている。

• - 三十一の一乗
• - 三十一の二乗（この基地にはその後「マザー・メタトロン」と名付けられた旗艦が含まれる）
• - 三十一の三乗

もう一つの重要な側面は、組織の指導者や主要なメンバーについてである。アフランシ・シャアを中心に、彼を支える実質的な指導者たちや艦船のクルーが存在している。これによりメタトロンは、名目上の支配者ではなく、実質的なリーダーシップを持つ組織としての機能を果たしていた。

おわりに

メタトロンという組織は、富野由悠季の描く境界を超えた人間ドラマの一部を体現するものであり、その存在は単なる反抗運動にとどまらず、様々な理想と矛盾の狭間で揺れ動く人々の象徴でもある。彼らの物語は、ただのサイエンスフィクションに留まらず、読者に考察を促すテーマを内包している。

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