メタル・ガレージ

メタル・ガレージ

『メタル・ガレージ』（原題：The $5.98 E.P.: Garage Days Re-Revisited）は、メタリカが1987年に発表したEPです。この作品は、メタリカに多大な影響を与えたバンドの楽曲をカバーしたもので、彼らの音楽的なルーツを垣間見ることができます。

背景

このEPは、ジェイソン・ニューステッドがメタリカに加入後、初めて参加した作品としても知られています。アルバムの末尾には、アイアン・メイデンの代表曲「Run to the Hills」のイントロフレーズがジョークとして挿入されており、遊び心も感じられます。また、イギリス初回盤は、シングルとしてのリリースを意図し、キリング・ジョークのカバー「ザ・ウェイト」が除外された4曲入りで発売されました。

反響と評価

リリース当時、アメリカのBillboard 200で28位を記録し、メタリカにとって2作目の全米トップ40アルバムとなりました。ドイツでは、1987年9月21日付のアルバムチャートで初登場16位を記録。イギリスでは、全英シングルチャートで4週にわたりトップ100入りし、最高27位を記録しました。日本では、メタリカ初のオリコンLPチャート入りを果たし、46位にランクインしました。

音楽雑誌『BURRN!』では、ジョージ吾妻氏が100点満点中88点を付け、「いずれも陽の目を見ていないバンドの曲を取り上げ、シンプルで20年前のスタジオライブのような音像の中に、最新鋭のエフェクトを隠し味として加える彼ら独特のサウンドが、これらの曲を良い意味で蘇らせている。完全にメタリカの音として消化されている」と評価しました。また、AllMusicのスティーヴ・ヒューイは、5点満点中3点を付け、「このEPは、強力なメタルリフと、知る人ぞ知るバンドの楽曲を見事に披露している」と評しています。

リイシュー

発売から2年後には廃盤となり、長らく入手困難な状態が続きましたが、1998年にリリースされたカバーアルバム『ガレージ・インク』には、本作の収録曲が全て収録されました。

2018年4月13日には、オリジナルフォーマットに基づいたリマスターエディションが発売され、バンドの公式サイトでは、「ザ・ウェイト」のリマスターバージョンが先行公開されました。アメリカでは、発売初週にLPとCDがそれぞれ約8000枚ずつ売れ、カセットとデジタルダウンロードを含めると2万枚近い売り上げを記録し、Billboard 200ではオリジナルリリース時を上回る18位にランクイン。ドイツのアルバムチャートでも、1987年当時を上回る10位を記録しました。イギリスでは、2018年4月26日付の全英アルバムチャートで42位となりました。

『メタル・ガレージ』は、メタリカの音楽的なルーツを探求するとともに、彼らの遊び心や音楽に対する愛情が感じられる作品です。カバーされた楽曲を通して、メタリカが影響を受けた音楽シーンを垣間見ることができるでしょう。

収録曲

Helpless
The Small Hours
The Wait
Crash Course in Brain Surgery
Last Caress/Green Hell

参加ミュージシャン

ジェイムズ・ヘットフィールド - ボーカル、リズムギター
カーク・ハメット - リードギター
ジェイソン・ニューステッド - ベース
* ラーズ・ウルリッヒ - ドラムス

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