メダケ

メダケ（雌竹）

メダケは、関東地方以西の本州、四国、九州、琉球に広く分布するイネ科の多年生常緑笹です。川岸や海辺の丘陵などに群生していることが多く見られます。高さは2〜8m、直径は1〜3cm程度で、笹としては比較的大きい部類に入りますが、その姿はすらっと細く伸び、女性を思わせることから「女竹」とも呼ばれます。その他、シノタケ（篠竹）、ニガタケ（苦竹）、カワタケ（川竹）、ナヨタケなどの別名があります。

特徴

稈（かん）: 緑色の無毛で滑らかな円筒形をしており、中空です。節間は約15cmで、節は低くなっています。稈は柔らかく、粘り強い性質を持つため、篠笛や煙管、筆軸、かごなどの竹細工に適しています。
筍皮（じゅんぴ）: 緑暗色から白黄色へと変化し、稈のほぼ中ほどまでの長さがあります。筍皮は落ちずに、いつまでも稈に残るのが特徴です。
葉: 互生で無毛、平行脈を持ち、細長い形状で先端部が垂れ下がります。葉柄は短く、葉鞘は無毛です。冬には葉の縁がやや白っぽくなります。葉の形は披針形または卵長形で、先が尖り、基部は円形から急に狭まります。葉の鋸歯は細かいです。
枝: 稈の上部で密に分枝し、節から3〜9本ほど出ます。葉は枝先に3〜6枚ほどつき、長さ10〜30cm、幅1〜3cmで無毛です。
地下[[茎]]: 地中に直径2cm程の太い地下[[茎]]が這い、節から筍が出て繁殖します。ニガタケという別名は、5月頃に出る筍が苦いことに由来します。
花: 5月頃に開花しますが、毎年ではありません。緑淡色の花が、茎（稈）先と枝先に束生密生します。10〜20個ほどの線形扁平な小穂をつけ、各小穂は5〜11個の花からなります。花皮は針形で長さ0.3〜1.5cmほど。包穎は2枚の小形、護穎は大きく先は尖ります。内穎2竜骨、鱗皮3、花柱3、おしべ3です。開花後、枯れることがあり、花穂は古い皮をつけていることが多いです。
果実: 穎果で、尖った楕円長形、長さは約1.4cmです。

利用

かつては農業資材や建築・漁業などに利用されていたため、農家の周辺などに植栽されていました。現在では利用されることが少なくなり、野生状態となっているものが多いです。

品種

メダケには、いくつかの品種があります。

アカメメダケ
キスジメダケ（黄筋女竹）: 葉に黄色の斑状模様があります。
ハガワリメダケ（葉変わり女竹）: 1つの稈に様々なタイプの葉が出ます。
シロシマメダケ（白縞女竹）: 葉に多数の白い縞模様があります。
アオメダケ（青女竹）
* ウタツメダケ

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