メッセージ (Apple)

Appleが提供する「メッセージ」アプリは、インスタントメッセージングの領域で重要な役割を果たしています。このアプリは、iMessage、RCS、SMS、MMSといった様々な通信プロトコルに対応し、テキストメッセージだけでなく、画像、動画、音声メッセージも送受信できます。

幅広いプラットフォームでの利用

「メッセージ」は、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、visionOSといったAppleの主要なオペレーティングシステムで動作します。これにより、ユーザーはどのデバイスからでもシームレスにメッセージのやり取りを行うことができます。

iChatからの進化

「メッセージ」アプリは、2012年7月にOS X Mountain Lionと共に登場し、MacのネイティブインスタントメッセージクライアントであったiChatの後継としてリリースされました。iChatの主要な機能を受け継ぎつつ、iMessageへの対応が追加され、Appleのエコシステム内でのメッセージング体験が向上しました。

iOS版の進化

iOS版「メッセージ」は、当初はSMSのみの対応でしたが、徐々に進化を遂げてきました。iPhone OS 3でMMSに対応し、アプリ名も「SMS/MMS」に変更。iOS 5ではiMessageへの対応と同時にアプリ名が「メッセージ」となり、iPadとiPod touchにも移植されました。さらにiOS 10では、エフェクト付きメッセージ、ステッカー、手書きメッセージ、Digital Touchなど、表現豊かなコミュニケーションが可能になりました。

ビジネスと衛星通信の対応

iOS 11.3では、企業との問い合わせや予約が可能なMessages for Business (Business Chat) が追加され、ビジネスシーンでの活用も広がっています。また、iPhone 14以降では、iOS 17で米国での衛星経由のロードサービス、iOS 18では米国とカナダでの衛星経由のメッセージ送受信に対応し、通信環境が限られる場所でもメッセージのやり取りが可能になりました。

RCS対応

iOS/iPadOS 18では、リッチコミュニケーションサービス (RCS) にも対応しました。ただし、2024年10月現在、日本国内の通信事業者ではRCSへの対応はまだ進んでいません。

macOS版の登場

2012年2月には、OS X Mountain Lionのディベロッパープレビュー版の一部としてmacOS版の「メッセージ」が発表されました。OS X Mountain Lionの正式リリース時には、iChatに代わってデフォルトのインスタントメッセンジャーとなり、Macユーザーにとっても重要なコミュニケーションツールとなりました。

多様な機能

「メッセージ」は、テキストや音声の送信だけでなく、画面共有機能も備えています。また、Appleのビデオ通話アプリであるFaceTimeと連携し、ビデオ会議機能も利用できます。iMessageの他に、XMPP、AIM OSCARなどのプロトコルもサポートしており、多様なプラットフォームとの連携が可能です。さらに、Yahoo! MessengerやGoogle トークにも直接接続することができます。

「メッセージ」アプリは、その進化とともに、単なるメッセージングツールから、ビジネス、緊急時、そして日常のコミュニケーションを支える重要なプラットフォームへと成長しています。今後も技術革新とユーザーニーズに合わせて、更なる機能拡張と利便性向上が期待されます。

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