メディセオ

株式会社メディセオ：医薬品卸売業界の再編と変革

株式会社メディセオは、東京都中央区に本社を構え、医療用医薬品や医療機器などの卸売事業を展開する企業です。メディパルホールディングスグループの中核を担い、その事業は医療業界において重要な役割を果たしています。2009年10月に株式会社クラヤ三星堂から社名変更し、新たなスタートを切りました。

社名の由来

メディセオの社名には、企業の理念と未来への展望が込められています。詳細は公式サイトの企業理念の項目をご覧ください。

沿革：再編の歴史

メディセオの沿革は、医薬品卸売業界の再編の歴史そのものです。その過程は、数々の企業合併と事業承継によって形作られてきました。

旧・クラヤ三星堂時代

2000年4月、クラヤ薬品、東京医薬品、三星堂の3社が合併し、(旧)株式会社クラヤ三星堂が設立されました。この合併は、関東と近畿という異なる地域を地盤とする企業が結集したものでした。

その後も、平成薬品、井筒薬品、チヤク、潮田三国堂薬品など、各地の有力企業との資本・業務提携を積極的に進め、事業領域を拡大しました。2004年には、エバルスとアトルを完全子会社化し、「メディセオグループ」を発足。同年10月には、事業持株会社となり、株式会社メディセオホールディングスに商号変更。営業を承継したクラヤ三星堂分割準備株式会社が、（新）株式会社クラヤ三星堂となりました。

新・クラヤ三星堂→メディセオ

2005年以降も、由利三薬館の営業権譲受や、医療機器部門の再編などを経て、事業の選択と集中を進めました。2006年には、チヤクを吸収合併し、一般用医薬品卸事業をパルタック（現PALTAC）に譲渡することで、医療用医薬品卸売事業に特化しました。

2009年10月、メディセオ・パルタックホールディングスの医療用医薬品卸売事業を譲受するとともに、千秋薬品、潮田クラヤ三星堂、やまひろクラヤ三星堂、平成薬品、井筒クラヤ三星堂の5社を吸収合併し、株式会社メディセオとして新たなスタートを切りました。

医薬品卸再編とメディセオ

医薬品卸売業界の再編は、昭和40年代の「現金添付販売」に端を発します。その後、メーカー系列卸の台頭、薬価引き下げ、建値制の導入など、様々な要因が複雑に絡み合い、業界は激しい合従連衡の波に揉まれてきました。

クラヤ三星堂の誕生は、その再編の象徴的な出来事でした。武田薬品系列の卸であったクラヤ薬品、三星堂、東京医薬品の合併は、業界に大きな衝撃を与えました。この合併を機に、医薬品流通は大手4社を中心とした全国規模での再編へと進んでいきました。

メディセオホールディングス（現・メディパルホールディングス）は、武田薬品と関係の深い卸を傘下に収め、国内最大の医薬品卸売企業としての地位を確立しました。2005年にはパルタックとの提携により、医薬品卸は新たな業態を模索する方向へと進み始めました。

そして、2009年のグループ内再編により、メディセオが誕生。現在も、流通の効率化を目的に、他業種・業界との提携、再編をも含めた活路を模索する動きが続いています。

営業地域

メディセオは、北海道・東北・関東・中部・関西地区の広域をカバーしています。中国・四国・九州・沖縄地区については、グループ会社やメディパルHDと資本・業務提携を行っている会社が担当しています。

メディセオは、医薬品卸売業界の再編の歴史を体現する企業として、今後もその動向が注目されます。

もう一度検索