メトロポリタン美術館 (みんなのうた)

大貫妙子「メトロポリタン美術館」：『みんなのうた』で愛される、ちょっぴり不思議な名曲

大貫妙子が作詞・作曲を手掛けた「メトロポリタン美術館」は、NHKの子供向け人気番組『みんなのうた』で1984年4月-5月に初めて放送されました。一度聴いたら忘れられないメロディーと、岡本忠成制作による人形アニメーションが印象的な楽曲です。

楽曲の背景と特徴

この楽曲は、アメリカの児童文学作家E・L・カニグズバーグの『クローディアの秘密』からインスピレーションを受けて制作されたと言われています。歌詞には、「天使の像」や古代エジプトのミイラを収めた石棺など、『クローディアの秘密』に登場するモチーフが織り込まれています。

曲名は「メトロポリタン美術館」と表記されますが、放送映像では冒頭に「メトロポリタンミュージアム」という字幕が表示されます。アニメーションは、少女がメトロポリタン美術館を訪れ、様々な美術品と出会う様子を描いています。特に印象的なのは、ラストシーンで少女が「大好きな絵」の中に閉じ込められる場面です。この「大好きな絵」とは、エドガー・ドガの「踊りのレッスン（ダンス教室）」（1871年作、メトロポリタン美術館所蔵）です。

『みんなのうた』での人気と再放送

「メトロポリタン美術館」は、『みんなのうた』で放送された楽曲の中でも特に人気が高く、初回放送から8ヶ月後の1984年1[[2月]]-1985年1月に再放送されました。その後も定期的に再放送されており、多くの世代に親しまれています。映像作品は、番組の他、NHKエンタープライズや東芝EMIから発売されたDVDにも収録されています。

多様な収録とカバー

この楽曲は大貫妙子のアルバム『Comin' Soon』や『Boucles d'oreilles』などに収録されています。また、『NHK みんなのうた 50 アニバーサリー・ベスト 〜大きな古時計～』には、大貫妙子自身の歌唱によるオリジナル音源が収録されています。さらに、井上美哉子、新倉芳美、KUKO、新居昭乃、吉田美智子、SAWA、白坂小梅（桜咲千依）など、多くの歌手によってカバーされています。

子供の頃の記憶とちょっぴり怖い印象

「メトロポリタン美術館」は、映像がやや暗く、ミイラの描写や「大好きな絵の中に閉じ込められる」という歌詞から、子供の頃に怖い印象を受けたという人も少なくありません。SNS上では、「子供の頃怖かったもの」として「みんなのうたのメトロポリタン美術館」を挙げる人が多く見られます。

再放送の歴史

「メトロポリタン美術館」は、以下のようなスケジュールで再放送されています。

1984年1[[2月]] - 1985年1月
1985年1[[2月]] - 1986年1月
1986年10月 - 1[[1月]]
1987年10月 - 1[[1月]]
1988年10月 - 1[[1月]]
1990年2月 - 3月
1991年4月 - 5月
1992年4月 - 5月（ラジオのみ）
1996年10月 - 1[[1月]]
1998年6月 - 7月
2001年4月 - 5月
2011年8月 - 9月（お楽しみ枠）
2012年10月27日・1[[1月]]24日（リクエスト）
2015年1[[2月]] - 2016年1月
2017年1[[2月]] - 2018年1月（お楽しみ枠）
2021年5月
2024年4月 - 5月

多彩なカバーバージョン

多くのアーティストが「メトロポリタン美術館」をカバーしています。

KUKO（日本コロムビア版）
新倉芳美（キング[[レコード]]版）
吉田美智子（ポニーキャニオン版）
井上美哉子（ケイエスクリエイト版）
新居昭乃（東芝EMI版）
エイプリルズ
ビューティフルハミングバード
SAWA
永山マキ meets hitme & miggy
omu-tone
やくしまるえつこ
* 白坂小梅（桜咲千依）

映像に関する補足

映像の終盤に登場する絵画の中に、アンリ・マティスの「オダリスク」がありましたが、著作権の関係で2011年から別の絵画に変更されました。アンリ・マティスの著作権は2025年1月1日にパブリックドメインとなる予定です。

「メトロポリタン美術館」は、子供の頃の記憶を呼び起こす、ちょっぴり不思議で魅力的な楽曲として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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