メドフォード駅

メドフォード駅は、アメリカ合衆国ニューヨーク州サフォーク郡に位置するメドフォード村落にある鉄道駅です。この駅に乗り入れているのは、ロングアイランド鉄道（LIRR）の本線であり、特にグリーンポート方面へと続く支線の重要な停車駅となっています。

駅施設は、ニューヨーク州道112号線沿いに設けられており、具体的にはペコニック・アベニューとロングアイランド・アベニューの間に位置しています。かつて駅へのアクセス道路はオハイオ・アベニューとも繋がっていましたが、同通りは2007年にペコニック・アベニューの北側で閉鎖されています。また、オレゴン・アベニューの北側からも駅にアクセス可能ですが、地元のメドフォード消防署が訓練などのためにこの連絡路を一時的に封鎖することがあります。

駅の歴史

メドフォード駅の歴史は古く、最初の駅は1844年6月26日に開業しました。この時期、LIRRの本線は現在のヤップハンク駅の東に位置していた旧カーマンズ・リバー駅が終点であり、メドフォードはその途上にありました。

しかし、開業から約20年後の1863年8月20日、メドフォード駅舎は火災により全焼してしまいます。駅の再建はすぐには行われず、次に駅舎が建設されたのは1889年のことでした。この時に建てられた駅舎は2階建ての構造で、ニューヨーク州道112号線との踏切近くに位置していました。この踏切は当時、LIRRの路線上で最も危険な場所の一つと考えられていました。

踏切の危険性から、安全対策として高架化による橋の建設が1920年代から1930年代にかけて繰り返し要望されましたが、これらの声は長い間聞き入れられませんでした。事態が動いたのは1940年、政府関係者の親族がこの踏切で事故死したことがきっかけでした。この悲劇を機に、州道112号線を跨ぐ橋を建設するための取り組みがようやく本格化しました。

線路が高架化された際、駅もそれに合わせて再建されました。新しい駅舎は盛り土の上に建てられた2階建てで、最上階に旅客待合室、地上階の駐車場近くにREA Expressの貨物駅が設けられました。州道112号線を横断する橋は、高さ制限12フィート9インチという制限の厳しい構造でしたが、当初は2本の線路を通すことを想定して設計されていました。しかし、2本目の線路を敷設する計画は1960年代初頭に断念されました。

高架化で再建された駅舎も、1958年には閉鎖されてしまいます。地上階は封鎖され、2階部分も1964年に撤去され、駅舎としての機能は失われました。その後、1988年には小さい木造の待合所がプラットホームに設置されましたが、これは後にプレキシガラス製の構造に置き換えられています。

駅の近代化は1990年代後半に再び行われました。これは、新たに導入された高床式のダブルデッカー車両に対応するため、また将来的な路線の電化に備えるためのものでした。この再建により、かつての地平ホームが高架化され、新しい階段や駐車場からの車椅子用アクセスランプも設置されました。プラットホームと同じ高さには小さな新しい待合所も建設されています。

構造と設備

現在のメドフォード駅には、線路の南側に高床式の単式ホームが1面設けられています。このホームの有効長は約1両半程度です。駅構内には貨物用の側線も存在しますが、本線自体はこの区間では単線となっています。

駅の駐車場は、利用料金が無料で時間制限もありません。これは他の多くのLIRR駅とは対照的な状況であり、利用者の利便性を高めています。駅敷地内には、線路沿いの盛り土部分、駐車場内に貨物支線が設けられています。これは近隣の建築製品工場へ資材を運ぶために敷設されたもので、LIRRの路線がメドフォードを通る過程で分岐する多くの側線の一つです。

また、駅構内にはアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼するための記念碑も設置されています。

メドフォード駅