メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級

メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級（MSK震度階級）について

メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級（Medvedev-Sponheuer-Karnik scale）は、地震によるある地点での揺れの強さを段階的に示す指標です。MSK震度階級と略称されることが多く、1964年にソ連の地震学者セルゲイ・メドヴェーデフ、ドイツの地震学者ヴィルヘルム・シュポンホイアー、チェコスロバキアの地震学者ヴィート・カルニクによって提唱されました。

この震度階級は、主にロシアを含むCIS諸国（独立国家共同体）、東ヨーロッパ諸国、イスラエル、インドなどで採用されています。MSK震度階級は、地震の揺れを人間の感覚や建造物への被害状況に基づいて評価し、その程度を12段階のローマ数字で表現します。

MSK震度階級の特徴

MSK震度階級は、以下の12段階で構成されています。

I: 無感
II: ごくわずかな揺れ
III: 弱い揺れ
IV: 軽い揺れ
V: やや強い揺れ
VI: 強い揺れ
VII: 非常に強い揺れ
VIII: 破壊的な揺れ
IX: 激しい破壊的な揺れ
X: 壊滅的な揺れ
XI: 大規模な壊滅的揺れ
XII: 完全な破壊

MSK震度階級は、地震による被害状況を詳細に把握するために、建物の種類や地盤の状態も考慮に入れています。これにより、地震の被害状況をより正確に評価することが可能になります。

MSK震度階級と気象庁震度階級の比較

日本の気象庁が採用している気象庁震度階級とMSK震度階級は、共に地震の揺れを評価する指標ですが、その特徴には違いがあります。1967年から1970年にかけて、日本の106の気象官署で両震度階級の同時観測が行われました。

この観測結果から、気象庁震度階級は低震度の地震に適している一方、MSK震度階級は高震度の地震に適していることが明らかになりました。これは、気象庁震度階級が人間の体感と密接に結びついているのに対し、MSK震度階級が建物の被害状況をより重視しているためと考えられます。

研究の結果、気象庁震度階級の震度JをMSK震度階級の震度Mに換算する式は、低震度の場合（Jが3以下）はM = 1.5J + 1.5、高震度の場合（Jが4以上）はM = 1.5J + 0.75とされました。この式からも、両震度階級の間には一定の関係性があることが示唆されます。

まとめ

MSK震度階級は、地震の揺れを詳細に評価するための指標として、世界の一部地域で広く用いられています。その12段階の震度階級は、人間の感覚だけでなく、建物の被害状況も考慮に入れており、高震度の地震の評価に特に適しています。日本の気象庁震度階級とは異なる特徴を持っていますが、両者の比較研究を通じて、それぞれの長所が明らかになっています。

関連情報

震度 : 地震の揺れの程度を表す指標についての一般的な情報
気象庁震度階級 : 日本の気象庁が使用する震度階級の詳細
* メルカリ震度階級 : メルカリ震度階級に関する情報

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