メムノン

メムノン：ギリシャからペルシアへの傭兵の道

メムノン（紀元前380年 - 紀元前333年）は、ギリシャ出身でアケメネス朝ペルシアのダレイオス3世のもとで軍人として仕官した人物です。彼はロドス島生まれであり、他のメムノンとの差別化を図るために「ロドスのメムノン」とも呼ばれることがあります。

家族背景

メムノンは、兄のメントルの妻であったバルシネを自らの妻としました。これは、メントルの死後に実現したもので、彼の死後バルシネはアレクサンドロス3世の側室となることになります。このような複雑な家族関係が、歴史的な人物にとってどのように影響を及ぼしたのかは興味深い点です。

アレクサンドロス3世との関係

アレクサンドロス3世の東方遠征が始まると、メムノンは直接対決を避ける戦略を提案しました。彼はダレイオス3世に対し、敵軍の食料供給を断つ焦土作戦を進言しますが、この案はペルシアの総督によって却下されてしまいます。この際、ペルシア軍の下級将校からは辛辣な言葉で責められることもあり、メムノンは自身の戦術提案が無視されることの悔しさを感じたことでしょう。

その後、グラニコス川の戦いでペルシア軍は大敗を喫し、アレクサンドロス率いるギリシャ軍が豊富な戦利品を手に入れました。この敗北を受けて、ダレイオス3世は「メムノンの提案に従っていれば良かった」と後悔の念を示したと言われています。

メムノンの再起と最期

その後、メムノンは小アジアにおいて状況を打破しようと奮闘します。彼はペルシア軍を再編成し、アレクサンドロスが簡単には攻撃できないような体制を築きました。彼はさらにはギリシャへの反攻作戦を計画していたとも言われます。

しかし、メムノンは間もなく病に倒れ、歴史の舞台から去ることになります。その短い人生の中で示した彼の戦略的思考や指導力は、彼がアケメネス朝の中でどれほど重要な役割を果たしたかを示しています。

メムノンはペルシアのために戦った一兵士であるだけでなく、その戦術や戦略は今なお多くの研究の対象となる重要な人物です。古代の歴史の中で彼の存在は、ギリシャとペルシアの関係、さらにはアレクサンドロスの功績に影響を与えたことを思い起こさせます。

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