メモリアル・カップ

メモリアル・カップ (Memorial Cup)

メモリアル・カップは、カナダのジュニアアイスホッケーにおける最高峰の大会であり、カナディアン・ホッケー・リーグ（CHL）のプレーオフとして位置づけられています。この大会は、単なる試合以上の意味を持ち、カナダのホッケー文化において特別な存在です。現在はダウ・ケミカルがスポンサーとなり、ダウ・メモリアル・カップとして開催されています。2024年大会では、サギノー・スピリットが栄えある優勝を果たしました。

大会の概要

メモリアル・カップは、1919年にその歴史をスタートさせました。オンタリオ・ホッケー・アソシエーション（OHA）から寄贈されたトロフィーが、その象徴となっています。当初はオンタリオを中心とした大会でしたが、その範囲は徐々に拡大していきました。

1934年には、OHAの部門がジュニアAとジュニアBに分割され、メモリアル・カップはジュニアAのための大会となりました。ジュニアBの大会としては、サダーランドカップが創設されました。この頃から、オンタリオだけでなく、西カナダのチームも参加できるようになり、大会の性格が変化していきました。

1970-71年には、カナダホッケーの部門がさらに細分化され、ジュニアAはジュニアメジャーとジュニアAに分けられました。これに伴い、メモリアル・カップはジュニアメジャーの大会となり、ジュニアAの大会としてはセンテニアルカップが新たに設けられました。1975年には、カナディアンホッケーリーグ（CHL）が設立され、メモリアル・カップは正式にCHLに属する3つのリーグ、すなわちオンタリオホッケーリーグ（OHL）、ウェスタンホッケーリーグ（WHL）、ケベック・メジャージュニアホッケーリーグ（QMJHL）の優勝チームと、開催都市のチームの計4チームによって争われることとなりました。

大会の形式

大会は、OHL、WHL、QMJHLの各優勝チームと、開催都市のチームの4チームによって行われます。開催都市のチームは自動的に出場できるわけではなく、所属するリーグのプレーオフで優勝または準優勝する必要があります。過去には、開催都市のチームが出場を辞退し、所属リーグの準優勝チームが出場したケースも4回ありました。

試合はまず、4チームによる総当たりリーグ戦から始まります。リーグ戦の1位チームは決勝にストレートイン。2位と3位のチームは決勝進出決定戦を行い、その勝者が決勝に進出します。決勝進出決定戦の敗者は3位となり、決勝戦でメモリアル・カップのチャンピオンが決定します。

個人賞

メモリアル・カップでは、選手の活躍を称えるため、様々な個人賞が設けられています。

スタッフォード・スマイス記念賞: 大会を通じて最も価値のある選手（MVP）に贈られます。
ジョージ・パーソンズ・トロフィー: 最もスポーツマンシップに優れた選手に贈られます。
ハップ・エムズ記念賞: 最優秀ゴールテンダーに贈られます。
Ed Chynoweth Trophy: 最も多くの得点を挙げた選手、すなわち得点王に贈られます。
* オールスターチーム: 大会期間中の活躍が顕著だった選手たちが選出されます。

これらの個人賞は、選手たちのモチベーションを高め、大会をより一層盛り上げる要素となっています。

メモリアル・カップは、カナダのジュニアアイスホッケー界において、選手たちの夢と情熱が交錯する舞台です。その歴史と伝統は、未来へと受け継がれていくことでしょう。

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