メリケン・ブルース

メリケン・ブルース

「メリケン・ブルース」は、日本の歌手、西田佐知子が発表したシングルレコードです。この楽曲は、1964年の12月、年末商戦の時期にポリドール・レコードから発売されました。品番はSDR-1044でした。発売当時のレーベルはポリドール・レコードですが、現在はユニバーサルミュージックに継承されています。

このシングルは、同年の初めに発売され、大ヒットを記録した代表曲「東京ブルース」の成功を受けて制作された、西田佐知子の「ブルース」と冠される一連の作品群の一つとして位置づけられています。「東京ブルース」が生み出したムード歌謡としての潮流の中で、「メリケン・ブルース」は特に港町をテーマにした楽曲として、その世界観を広げる役割を果たしました。同時期には、「こいさんのブルース」（大阪）や「博多ブルース」（福岡）といった、特定の地域名を冠したブルース作品も発表されており、これらの楽曲群は当時の西田佐知子のキャリアにおける重要な柱となりました。

楽曲「メリケン・ブルース」は、歌詞の中で具体的な特定の港の名前を挙げず、普遍的な港の情景や、そこに行き交う人々の心情を描きます。船や倉庫が立ち並ぶ波止場の風景、別れや旅立ちといったドラマが、もの悲しいメロディーに乗せ歌われます。演奏はポリドール専属のオーケストラが担当し、重厚かつ情緒豊かなサウンドが楽曲のムードを引き立てます。アレンジャー伊部晴美による編曲は、ジャズやブルースの要素を取り入れつつ歌謡曲としての聴きやすさを両立させています。

このシングルレコードは、A面に表題曲である「メリケン・ブルース」が、そしてB面（カップリング）には「大阪の夜」がそれぞれ収録されました。「メリケン・ブルース」の作詞は滝田順氏、作曲および編曲は伊部晴美氏がそれぞれ手掛けました。

「メリケン・ブルース」は、発表後も西田佐知子の数多くのベストアルバムや全集に繰り返し収録されています。主な収録アルバムは以下の通りです。

GOLDEN☆BEST 西田佐知子（2003年発売、品番：UICZ-6041）
西田佐知子 ベスト10（2005年発売、品番：UPCY-9016）
西田佐知子歌謡大全集（2007年発売、品番：UPCY-9096/100）
西田佐知子 エッセンシャル・ベスト（2007年発売、品番：UPCY-9137）
* 初めての街で 〜西田佐知子ベストセレクション〜（2009年発売、品番：UPCY-6543）

これらのコンピレーション盤への収録を通じ、「メリケン・ブルース」は現在でも多くの音楽ファンにその魅力が伝えられています。西田佐知子の重要な一曲として、日本のムード歌謡史においても記憶される作品です。

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