メリダとおそろしの森

映画紹介: メリダとおそろしの森

『メリダとおそろしの森』（オリジナルタイトル：Brave）は、2012年に公開されたピクサーのフルCGアニメーション作品で、アメリカで制作されました。この映画は10世紀のスコットランドを舞台としており、ピクサーの作品の中で初めて女性を主人公とする、さらには初のディズニープリンセスが登場する作品として注目を集めました。これまでのピクサー映画とは異なり、よりダークで大人向けの内容となっており、卓越したストーリーテリングが評価されました。

本作は、伝説や神話を基にしたフェアリーテールとして位置づけられており、特に従来のディズニープリンセス映画とは一線を画す内容になっています。また、映画の冒頭にはウォルト・ディズニー・ピクチャーズのロゴが変更され、「Walt」と「pictures」の表記が消え、「disney」のみが残りました。第85回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞し、音声にはドルビーアトモスが初めて採用されました。

あらすじ

物語は千年前のスコットランド、ダンブロッホ王国からスタートします。王女のメリダは、自由を愛する活発な少女であり、大の弓嫌い。母のエリノア王妃は、王位継承者であるメリダを立派な王女に育てるため、伝統を重んじながら厳しく教育していました。しかし、伝統に反発するメリダは、母の期待に応えることを強いられ、葛藤を抱えることになります。

王国の運命を左右する重要な結婚式が決まり、3人の領主とその息子たちが城に招かれます。エリノア王妃は、最も優れた息子をメリダの夫にしようとしますが、メリダはそれに反発し、競技会に参加。思いがけず優勝してしまいます。それに激怒した母は、2人の間に激しい口論が展開され、メリダは母の手製のタペストリーを切り裂いてしまいます。これがきっかけで、彼女は森に逃げ込むことになります。

森の中で、メリダは不思議な「鬼火」に導かれ、森の魔女と出会います。母を変える魔法を求めた結果、エリノア王妃はクマに変えられてしまい、言葉を失った彼女を差し置いてさらなる冒険が始まります。ファーガス王はクマに対してトラウマを抱えているため、母がクマの姿になったことで危機が一層深刻に。メリダは、弟たちの協力を得ることで母を逃がそうとしますが、魔女の助けを借りたとしても、魔法を戻す方法はままならず苦悩します。

ある日、鮭を捕まえようと川に出かけたメリダは、やがて母の意識が戻ることに気づき、エリノア王妃と一緒に荒れ果てた城跡に辿りつきます。そこには、かつて熊に変えられた王子の伝説が秘められていました。母と協力して逃げながらも、メリダは彼女のタペストリーを無事に修復する方法を見出そうと懸命になります。

クライマックスでは、メリダたちが城に戻り、伝統を重んじる人々を前に母の存在意義を再確認させる場面が描かれます。メリダは、新たに得た知識と勇気で、全てを取り戻すために奮闘し続け、物語は感動の結末を見せます。

登場人物

• - メリダ王女：自由を愛するお転婆であり、王位継承者。弓の名手。
• - エリノア王妃：母として王女を育てるが厳格。
• - ファーガス王：豪快で心優しい父。
• - 三つ子：メリダの弟たちで、彼女をサポートする存在。
• - 魔女：森に住む不思議なおばあさん。

製作情報

本作は、ブレンダ・チャップマンが本来監督を務める予定でしたが、交代があり、マーク・アンドリュースが新たに監督を担当しました。映画は、観客や批評家から注目を浴び、興行収入は全世界で5億ドルを超えましたが、日本での興行成績は少し低調でした。

『メリダとおそろしの森』は、その革新的なストーリーやキャラクター描写から、今でも多くのファンに愛され続けています。

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