メリーランド (装甲巡洋艦)

メリーランド (USS Maryland, ACR-8)

USS Maryland (ACR-8)はアメリカ海軍の装甲巡洋艦であり、ペンシルベニア級に属する艦船です。本艦は、メリーランド州にその名を由来としています。この艦は、同名を持つ艦としては二隻目のものであり、海軍の歴史において重要な役割を果たしました。

艦歴の始まり

メリーランドの建造は1901年10月7日、バージニア州ニューポート・ニューズの造船所で始まりました。1903年9月12日に進水し、1905年4月18日には艦長ロイヤル・R・インガソル大佐の指揮のもとで正式に就役しました。就役後は慣熟訓練を行い、1905年10月に大西洋艦隊に配属されました。

初期の任務として、1906年の初めにはキューバ沖で艦隊演習に参加し、その後夏にはマサチューセッツ義勇海軍の訓練航海に従事しました。以降、艦は太平洋への転属の準備を行います。具体的には、1906年9月8日にニューポートを出航し、サンフランシスコおよびハワイを経由してアジア方面部隊に配属されました。この期間中、メリーランドは数年間にわたり太平洋での様々な任務に従事しました。

主要な活動

1912年と1913年には、アラスカでの調査任務に参加し、1912年には明治天皇の葬儀に参列するため、ノックス国務長官を東京へ送り届ける任務も果たしました。また、メキシコやニカラグアでの在留アメリカ人保護のために急行し、南太平洋やハワイ方面への訓練航海も頻繁に行いました。

1916年11月9日、メリーランドはフレデリック (USS Frederick) という名前に改名されました。1917年4月6日にアメリカがドイツに対して宣戦布告した際、フレデリックはピュージェット・サウンドからサンフランシスコに向かう途中にありました。

艦はサンフランシスコで兵員と物資を載せ、大西洋方面へ出航します。1917年5月から1918年1月にかけて、南米沖の南西大西洋で哨戒任務を遂行しました。2月1日からは北大西洋での船団護衛任務に移り、戦争終結までヨーロッパへの兵員輸送に従事したのです。

復帰と最期

フレデリックは1919年半ばまでにフランスからアメリカへの復員輸送の任務を6回行い、その後フィラデルフィアの海軍造船所で一時的に現役を解除されます。その後、海軍予備役として訓練航海に従事し、1920年にはベルギーのアントウェルペンにオリンピックのアメリカ代表を輸送しました。

1921年には太平洋艦隊に戻り、1922年2月14日には解役され、メア・アイランドの予備役艦隊に編入されました。フレデリックは1929年11月13日に除籍され、その翌年の1930年2月11日に売却されたのです。

この艦は、1921年にハロルド・ロイドの長編映画『ロイドの水兵』の撮影でも使用されており、ディナー・パーティのシーンには本艦の士官が出演しました。

このように、USS Marylandおよびその後のフレデリックとしての歴史を通じ、艦は様々な時代背景の中で重要な役割を果たしました。

もう一度検索