メリー・フローレンス・デントン

メリー・フローレンス・デントン：同志社女子部の母、その生涯と功績

メリー・フローレンス・デントン（Mary Florence Denton、1857年7月4日 - 1947年12月24日）は、アメリカ合衆国出身の女性宣教師であり、教育者です。日本赤十字社終身会員、同志社社友・評議員という肩書を持ち、「同志社女子部の母」として広く知られています。

生い立ちと来日

1857年、ネバダ州スノーポイントで生まれたデントンは、オークランドのボストン・カレジェート・スクールを卒業後、カリフォルニア州パサデナで小学校教師として働いていました。その頃、一時帰米中であった同志社の教師ゴードンから同志社と創立者である新島襄の話を聞き、感銘を受けます。家族や友人らの反対を押し切り、1888年10月に来日。日本での教育活動に身を捧げることを決意しました。

同志社女学校での貢献

来日後、デントンは半世紀以上にわたり同志社女学校の発展に尽力しました。教育者として教鞭を執るだけでなく、学校の運営にも深く関わり、女子教育の向上に貢献しました。1929年に定年を迎えた後もアメリカに帰国することなく、日本に留まりました。太平洋戦争中には特高警察の監視下に置かれるという困難な状況下でも、日本での滞在を許され、教育への情熱を持ち続けました。

デントン・ハウス

同志社女学校内に設けられたデントン・ハウスは、国内外の賓客をもてなす社交の場として重要な役割を果たしました。「ホワイトハウスを除いてもっとも興味深いパーラー」と評され、ウォーナーやジョセフ・グルーなど、多くの著名人が訪れ、日米交流の舞台となりました。しかし、デントン・ハウスは1960年に解体され、その備品の一部は現在、同志社女子大学史料センターに保管されています。

死去と追悼

1947年12月24日、デントンは肺炎のため90歳で生涯を閉じました。彼女の遺体は京都市にある相国寺長得院墓地に埋葬されています。その功績を称え、勲六等瑞宝章（1933年）と勲三等瑞宝章（1948年）が授与されました。

参考文献

同志社々史々料編纂所 『同志社九十年小史』 学校法人同志社、1965年
小野美恵子 『日米の懸け橋 日本の女子教育に捧げたデントンの生涯』 大阪書籍株式会社、1988年
『日本キリスト教歴史大事典』 教文館、1988年 ISBN 4-7642-4005-X
同志社山脈編集委員会編 『同志社山脈』 晃洋書房、2003年 ISBN 4771014086

関連人物・項目

同志社女子大学
星名ヒサ

メリー・フローレンス・デントンは、日本の女子教育の発展に大きく貢献しただけでなく、日米間の相互理解を深める架け橋としての役割も果たしました。彼女の教育に対する情熱と、国際交流への貢献は、今もなお多くの人々に感銘を与え続けています。

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