メリー喜多川

メリー喜多川の生涯と業績

メリー喜多川（Mary Y. Kitagawa）は、日本の著名な実業家および芸能プロモーターであり、ジャニーズ事務所の名誉会長としてその名を知られています。彼女は1927年12月26日にアメリカ、ロサンゼルスで誕生し、本名は藤島メリー泰子です。メリーはジャニーズ事務所の創設者である弟ジャニー喜多川の姉としても知られています。

生い立ちと教育

メリーは、リトル・トーキョーにある高野山真言宗の僧侶である父のもとで育ちました。1933年、家族は日本に移住し、大阪市での生活を始めるものの、母親を早くに亡くしました。戦争の影響で、子供たちは疎開し、のちにメリーは劇団での活動を始めました。1947年には再度アメリカに渡り、ロサンゼルス・シティー・カレッジを卒業。1957年には再び日本へ帰国しました。

実業家としてのキャリア

メリーは1950年代後半に、東京の四谷三丁目でカウンターバー「スポット」を開業しました。このバーは多くの著名人も訪れる場所となり、ここで東京新聞記者の藤島泰輔との間に藤島ジュリー景子をもうけました。1962年、弟のジャニーがジャニーズ事務所を設立すると、メリーはその経理を担当し、タレントのスタイリングやマネジメントにも関わりました。

副社長としてメリーは、タレントやショーのプロデュースを行い、会社の経営全般を仕切りました。1976年には、舞台上で素早く衣装を変えるための実用新案を特許出願し、ジャニーズのタレントたちがその技術を活用する場面を創出しました。

メリーはまた、2011年に中国で行われた北京公演の際には、SMAPとともに重要な外交的役割を果たしました。

晩年と死去

メリーは長年にわたりジャニーズ事務所の副社長として活躍してきましたが、弟ジャニーの死を受けて、2019年に代表取締役会長に就任しました。その後も2020年には名誉会長に退任します。2021年8月14日、肺炎により93歳でこの世を去りました。彼女の墓は弟ジャニーと同じく和歌山県の高野山にあります。

人物と影響

彼女は数多くのタレントを育てましたが、また厳しい企業人として、事務所の方針に従わない所属タレントに対して厳しい姿勢を持っていました。これは元SMAPの森且行や元男闘呼組の高橋和也とのトラブルの原因ともなりました。メリー加え、豊川稲荷を信仰し、芸名にその名を取り入れるなど、彼女の人生には信仰も深く根付いていました。

彼女の死後、メリー喜多川をテーマにした書籍が出版されるなど、彼女の影響は今なお続いています。しかし、2023年には、ジャニー喜多川による性加害の問題が指摘され、その背景にはメリーの存在があったとされる調査結果も報告されました。メリーの生涯は、光と影を併せ持った日本のエンターテインメント業界の象徴とも言えるでしょう。

もう一度検索