メルセデス・ベンツ・W222

メルセデス・ベンツ Sクラス W222型：ラグジュアリーとイノベーションの融合

メルセデス・ベンツSクラスの6代目モデルとして、2013年から製造・販売されているW222型（ロングボディはV222型）は、その洗練されたデザインと先進技術で世界中の顧客を魅了しました。このモデルは、伝統的なメルセデス・ベンツの優雅さを現代的に解釈し、より流麗で力強いスタイリングを実現しています。大型のフロントグリル、クーペのような滑らかな曲線、そして縦型リアコンビネーションランプが、その特徴的な外観を際立たせています。

デザインとサイズ

先代モデルであるW221型と比較して、W222型は全長、全幅、全高が若干拡大されました。特にロングモデルでは、そのサイズ感がより強調され、後部座席の広々とした空間を確保しています。ホイールベースは両モデルで同一です。

先進の灯火類とインテリア

W222型は、ヘッドライト、リアコンビネーションランプ、ウインカー、そしてインテリア照明に至るまで、すべてにLEDを採用。約500個ものLEDが使用され、精緻で美しい光を演出しています。ダッシュボードには、LCDメーターパネルと大型ディスプレイが連続して配置され、先進的なテクノロジーを感じさせます。一方、スイッチ類やエアコン吹き出し口などは、クラシカルなデザインを採用し、現代性と伝統の調和を図っています。

革新的なテクノロジー

W222型には、数々の先進技術が搭載されています。その中でも象徴的なのが「マジックボディコントロール」です。このシステムは、フロントガラス上部のステレオカメラで路面の凹凸を最大15m先までスキャンし、4輪のサスペンションを個別に制御することで、走行中の揺れや衝撃を大幅に軽減します。快適な乗り心地を実現するための革新的な技術です。（ただし、夜間や悪天候時には機能しません。また、後輪駆動モデルのみに搭載可能。）

その他にも、「プレセーフプラス」による追突事故軽減システムや、後続車の眩惑を防止する機能なども搭載され、高い安全性を確保しています。

日本市場における展開

日本市場では、2013年10月に受注が開始され、同年11月より販売が開始されました。当初は「S400ハイブリッド」「S550ロング」「S63 AMGロング」など複数のグレードが設定され、その後、様々なバリエーションモデルが追加されました。マイバッハシリーズの統合、プラグインハイブリッドモデル、ディーゼルハイブリッドモデルなど、多様なニーズに対応するモデルが展開されました。また、限定車なども発売され、多くの顧客を魅了しました。

モデルの進化とマイナーチェンジ

2017年にはマイナーチェンジを行い、フロント・リアのデザインを一新。ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、エアインテークなどが変更され、よりスポーティで洗練されたデザインとなりました。また、「インテリジェントドライブ」システムも強化され、運転支援機能が向上しています。エンジンラインナップも変更され、直列6気筒エンジンや4.0L V8ツインターボエンジンなどが搭載されました。

マイバッハSクラスとの統合

2015年には、2代目マイバッハがSクラスに統合される形で発売されました。従来独立ブランドであったマイバッハは、メルセデス・ベンツのサブブランドとして位置づけられ、Sクラスの最上位モデルとして、豪華な装備と卓越した快適性を提供しました。

ヨーロッパ市場

ヨーロッパ市場でもW222型は高い人気を誇り、日本市場と同様に多様なグレードが展開されました。2017年には、新世代直列6気筒エンジンを搭載したS450が発売されるなど、技術革新も積極的に行われました。

まとめ

W222型メルセデス・ベンツSクラスは、ラグジュアリーと先進技術が見事に融合したモデルです。その優雅なデザイン、快適な乗り心地、そして高度な安全機能は、世界中の自動車愛好家を魅了し続けました。様々なバリエーションモデルやマイナーチェンジを通じて進化を遂げ、メルセデス・ベンツのフラッグシップセダンとしての地位を確固たるものとしました。その歴史は、自動車史に燦然と輝く一ページと言えるでしょう。

もう一度検索