メルヘンヴェール

『メルヘンヴェール』は、1985年にシステムサコムから発売されたPC-9801用のアクションロールプレイングゲームです。魔法使いによって醜い妖精「ヴェール」に変えられ、世界の果てに飛ばされた王子が、故郷フェリクスへの帰還を目指す物語です。

ゲームの特徴

本作は、アクションRPGでありながら、パズルゲームやシューティングゲームの要素を取り入れた点が特徴です。各章の開始時に示される行動目標を達成するため、敵を倒すだけでなく、地形を利用したり、アイテムを駆使したりする必要があります。また、女性をターゲットにした可愛らしいキャラクターデザインや、メルヘンチックな世界観も魅力です。

ストーリー

遠い昔、人間と神々、妖精が自由に交流できたフェリクスの世界。湖の国の王子は、森の国の王女と愛を誓いますが、それを妬んだ魔法使いによって醜い姿に変えられ、世界の果てへと追放されてしまいます。王子は、王女との再会を信じ、故郷への帰還を決意します。

各シーン（章）では、以下のような展開が繰り広げられます。

SCENE - 1「目覚め」: 見知らぬ荒野で目覚めた王子は、姫からもらった腕輪と、砂の中から現れた剣を手に、フェリクスを目指します。
SCENE - 2「ギアス」: 月の女神からマントを奪い、太陽の神の元へたどり着いた王子は、海の神に会うため、女神ディーバを訪ねるよう告げられます。しかし、岩山の入口には魔獣が待ち構えていました。
SCENE - 3「霧の向こう」: ギアスを倒した王子は、ディーバの屋敷が霧に閉ざされていることを知らされ、必要な物を集めるよう促されます。
SCENE - 4「試練」: ディーバの屋敷で手下に疑われた王子は、その証を示すため、ディーバから怪物を倒すよう依頼されます。
SCENE - 5「海へ」: ディーバからヴェール族の掟を聞かされた王子は、海の神に会う必要性を説かれます。そのためには、海を渡って仙人に会わなければなりませんが、海水に触れると死んでしまうため、特殊な薬を探す必要があります。
SCENE - 6「氷の世界」: 仙人から、ヴェールの身分ではフェリクスへの帰還は不可能だと告げられた王子は、海の神の娘が氷山に閉じ込められていることを知ります。
SCENE - 7「王子の証」: 海の神の娘を救出した王子は、謁見に必要な王子の証を探すことになります。
SCENE - 8「終章」: 海の神に謁見する直前のシーン。地底の王から、貢物が必要だと助言を受けます。

ゲームシステム

セーブ: 各章に落ちているフロッピーディスクを拾い、安全地帯で使用することでセーブできます。ただし、一度セーブするとフロッピーはなくなってしまうため、セーブのタイミングが重要になります。（ファミリーコンピュータ版では、特定の場所でコマンドを使用）
ライフ: 初期値は5。敵の攻撃を受けると減少し、0になるとゲームオーバー。妖精を集めたり、アイテムを使用したりすることで回復できます。
地形: 敵を倒すだけでなく、崖を飛び越えたり、砂地獄を避けたりする必要があります。特定のアイテムがないと進めない場所も存在します。
防御: 王子は腕輪の魔力で攻撃を防ぐことができます。攻撃していない状態では正面に、攻撃時は左側に魔法障壁が発生します。

移植版

PC-9801
PC-8801
MSX
MSX2
ファミリーコンピュータディスクシステム

スタッフ

ディレクター、シナリオ、プレストーリー、音楽: 佐藤浩一
ゲーム・デザイン、プログラム: 堀本幸男

評価

本作は、メルヘンチックなグラフィックと、アクションステージの難易度の高さが話題となりました。特に、PC-8801版は、理不尽な設計や主人公の移動速度の遅さ、崖の当たり判定のわかりにくさなどが指摘されています。

メルヘンヴェールII

続編となる『メルヘンヴェールII』は、1986年にPC-9801用ソフトとして発売されました。本作では、ボスキャラとの対決時に魔法が使用可能になり、装備の変更やセーブも自由に行えるようになりました。前作のクリアデータを読み込むことで、有利なアイテムを入手することも可能です。

オンライン配信

レトロゲーム配信サイトプロジェクトEGGにて、『I』と『II』が配信されており、Windowsパソコンでプレイ可能です。

関連商品

漫画
ゲームブック
攻略本
サウンドトラック

関連項目

テグザー - 本ゲームにパロディとしての敵キャラ「テグザ」が登場する。

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