メルヴィンズ

メルヴィンズ (Melvins)

メルヴィンズは、アメリカ合衆国出身のロックバンド。1980年代初頭にワシントン州で結成され、その独特な音楽性で、後のグランジ・シーンやヘヴィ・ロック界に大きな影響を与えました。バンドは基本的にトリオ編成で活動していますが、2006年から2016年までは2人のドラマーを擁する4人編成で活動していました。ライブでは、時折サイドギタリストを迎えることもあります。

バンドの名前は、バズ・オズボーンがアルバイトしていたスーパーマーケットの嫌われ者の上司「メルヴィン」に由来します。

来歴

1980年代初頭、バズ・オズボーン、マット・ルーキン、マイク・ディラードの3人が、ワシントン州モンテサノ市の高校で結成。当初はザ・フーやジミ・ヘンドリックスのカバーを演奏していましたが、次第に高速なハードコア・パンクを演奏するようになります。ディラードの脱退後、デイル・クローヴァーが加入し、練習場所をクローヴァーの実家に移してからは、より遅く、重い楽曲を演奏するようになりました。

1986年に6曲入りEP「6 SONGS」をリリース。この作品は再発のたびに曲が追加され、最終的には26曲入りとなりました。同年、初のフルアルバム『Gluey Porch Treatments』をリリース。当時はハードコア色の強い楽曲が中心で、演奏時間も短いものが多く、現在の重く遅いサウンドとは異なっていました。

1987年、ルーキンが脱退し、翌年にはバズとデイルは活動拠点をカリフォルニア州サンフランシスコに移します。ロリー・ブラック（元子役、シャーリー・テンプルの次女）をベーシストに迎え、アルバム『Ozma』をレコーディング、リリース。ロリーの在籍時から、現在のようなスラッジな作風が徐々に確立され、1991年リリースのアルバム『Bullhead』では、「Boris」のような重々しい楽曲や、演奏時間の長い楽曲が多く収録されました。

1993年にはアトランティック・レコードからメジャーデビューアルバム『フーディーニ』をリリース。ニルヴァーナのカート・コバーンが数曲をプロデュースし、ギタリストとしても参加しました。しかし、ロリーが技術的な問題で解雇され、マーク・デュートロムが加入。1994年には『ストーナー・ウィッチ』を発表しますが、前作ほどのヒットにはなりませんでした。

その後もメンバーチェンジを繰り返しながら、イピキャック・レコーディングスに移籍。3枚のアルバム『The Maggot』、『The Bootlicker』、『The Crybaby』をリリースし、それぞれ異なる音楽性を展開しました。2006年にはビッグ・ビジネスの2人を迎え、ツインドラム編成の4人組として活動を開始。2012年からは、バズとデイルがトレヴァー・ダンと「メルヴィンズ・ライト」としての活動も開始しました。

音楽性

ブラック・フラッグやスワンズ、フリッパーなどの影響を受け、ヘヴィ・ロック、スラッジ・コアに近いアプローチをとっています。しかし、ユーモアに溢れた実験[[音楽]]的な要素も持ち合わせており、特定のジャンルに分類することは困難です。非常に鈍重なテンポで、タメを効かせたスラッジーなサウンドは、グランジ・シーンに多大な影響を与え、ニルヴァーナやサウンドガーデンなどに影響を与えたことは特筆すべき点です。日本のスラッジメタルバンド、BORISの名前はメルヴィンズの楽曲に由来します。

エピソード

ニルヴァーナのカート・コバーンは、メルヴィンズの熱狂的なファンであり、親交も深く、メルヴィンズのメジャーデビューアルバムのプロデュースや、バックミュージシャンとして参加もしています。ドラムのデイヴ・グロールはバズの紹介でニルヴァーナに加入しました。

2011年には、ニュージーランドと日本で2度の大地震に遭遇するという珍しい経験をしています。

メンバー

現在のメンバー

バズ・オズボーン - ギター、ボーカル (1983年–)
デイル・クローヴァー - ドラム、バッキングボーカル (1984年–)
スティーヴン・マクドナルド - ベース、バッキングボーカル (2015年-)

旧メンバー

マイク・ディラード - ドラム (1983年–1984年)
マット・ルーキン - ベース、バッキングボーカル (1983年–1987年)
ロリー・ブラック - ベース (1987年–1991年、1992年–1993年)
ジョー・プレストン - ベース、バッキングボーカル (1991年–1992年)
マーク・デュートロム - ベース、ギター (1993年–1998年)
ケヴィン・ラトマニス - ベース (1998年–2005年)
ジャレド・ウォーレン - ベース、バッキングボーカル (2006年–2016年)
* コーディー・ウィリス - ドラム、バッキングボーカル (2006年–2016年)

ディスコグラフィー

(スタジオ・アルバム、EP、ライブ・アルバム、コンピレーション・アルバムのタイトルは省略)

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