ブラック・フラッグ

ブラック・フラッグ（Black Flag）は、1976年にアメリカ・カリフォルニア州ハモサビーチで結成されたハードコア・パンクバンドです。バンド名はアナーキストの象徴である「黒旗」に由来します。

バンドの歴史

ブラック・フラッグは、そのキャリアを通じてメンバーの入れ替わりが非常に激しいバンドでした。結成から解散まで唯一在籍していたのは、リーダーでありギタリストのグレッグ・ギンのみでした。

1981年には、S.O.A（ステイト・オブ・アラート）のヘンリー・ロリンズがボーカリストとして加入。彼の加入は、ブラック・フラッグの名が東海岸にも広まるきっかけとなりました。この頃からバンドは活動を活発化させ、日本公演を含むワールドツアーを敢行し、次々とレコードをリリースしました。

彼らのレコードの多くは、グレッグ・ギンが設立したインディーレーベル「SST Records」からリリースされました。SSTは、ブラック・フラッグの作品以外にも、ミート・パペッツ、ミニットメン、ハスカー・ドゥ、バッド・ブレインズ、ソニック・ユース、ダイナソーJr.、サウンドガーデンなど、ハードコアや初期オルタナティブの重要な音源をリリースし、1980年代のアメリカを代表するインディレーベルとなりました。

1986年に解散。活動期間は長くはありませんでしたが、アメリカ、特に西海岸のハードコアシーンに与えた影響は計り知れません。一般的なハードコアとは異なり、ブラック・フラッグの音楽は必ずしもスピードを重視せず、ブラック・サバスをはじめとするパンクロック以外の音楽からの影響も受けています。この傾向は、特にヘンリー・ロリンズ加入後の1980年代前半の楽曲で顕著です。また、SSTはDIY精神の先駆者であり、現在もインディレーベルという存在そのものに影響を与え続けています。

2013年には、2つのバンドに分かれて再結成することが発表され、ヘンリー・ロリンズが参加しないことなどが話題となりました。

メンバー

グレッグ・ギン（ギター）
ヘンリー・ロリンズ（ボーカル）

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『ダメージド』 - Damaged (1981年)
『マイ・ウォー』 - My War (1984年)
『ファミリー・マン』 - Family Man (1984年)
『スリップ・イット・イン』 - Slip It In (1984年)
『ルース・ナット』 - Loose Nut (1985年)
『イン・マイ・ヘッド』 - In My Head (1985年)
『ホワット・ザ…』 - What The... (2013年)

ライブ・アルバム

『ライヴ'84』 - Live '84 (1984年)
Who's Got the 10½? (1986年)
Live at the On Broadway 1982 (2010年)

コンピレーション・アルバム

Everything Went Black (1982年)
1982 Demos (1982年)
『ザ・ファースト・フォー・イヤーズ』 - The First Four Years (1983年)
『ウェステッド・アゲイン』 - Wasted...Again (1987年)

EP

Nervous Breakdown (1979年)
Jealous Again (1980年)
Six Pack (1981年)
TV Party (1982年)
The Process of Weeding Out (1985年)
Minuteflag (1986年)
Annihilate This Week (1987年)
I Can See You (1989年)

ブラック・フラッグは、その音楽性とDIY精神で、後の音楽シーンに多大な影響を与えた重要なバンドです。

もう一度検索