メロディ・タイム

ディズニーの傑作オムニバスアニメーション『メロディ・タイム』

1948年5月27日に公開された『メロディ・タイム』は、ウォルト・ディズニー・プロダクションによるアニメーション映画です。単一のストーリーではなく、7つの独立した短編アニメーションが一つにまとめられたオムニバス作品という構成が大きな特徴です。それぞれの短編は、個性豊かな音楽と映像で彩られており、まるで異なる世界の冒険を体験しているかのような感覚を与えてくれます。1946年公開の『メイク・マイン・ミュージック』と同様に、ポピュラーミュージックを基調とした作品として、『ファンタジア』の姉妹編とも呼ばれています。

多彩な魅力が詰まった7つの物語

1. 冬の出来事 (Once upon a wintertime): 冬の湖でスケートを楽しむ恋人たちの物語。楽しいひとときも、予期せぬアクシデントに見舞われ、ハラハラドキドキの展開に。
2. クマンバチ・ブギ (Bumble Boogie): 花や草、虫を模した楽器たちが、小さなクマンバチを相手に軽快な演奏を繰り広げる、コミカルな音楽アニメーション。
3. リンゴ作りのジョニー (The old settler Johnny Appleseed and Johnny's angel): アメリカ開拓時代の英雄、ジョニー・アップルシードの物語。リンゴの種をまきながら、開拓地を信仰の光で照らしていく、心温まる伝説。
4. 小さな引き船 (Little Toot): 小さなタグボート、トゥートのやんちゃな冒険。港を追い出されたトゥートは、嵐の海で遭難した船を救うことで、自分の存在意義を見出していきます。
5. 丘の上の一本の木 (Trees): 一本の大きな木とその周りの生命を美しい詩情で表現した、幻想的なアニメーション。自然の息吹と生命の尊さを静かに伝えます。
6. サンバは楽し (Blame it on the Samba): ディズニー映画『三人の騎士』でお馴染みのドナルドダック、ホセ・キャリオカ、アラクアンが再登場。エネルギッシュなサンバのリズムにのせて繰り広げられる、陽気なダンスシーン。
7. 青い月影 (Pecos Bill): コヨーテに育てられたという伝説のカウボーイ、ペコス・ビルと愛馬ウィドウメーカーの冒険譚。壮大な西部劇の世界観が、迫力ある映像で描かれています。

スタッフとキャスト

『メロディ・タイム』には、数々の才能あふれるスタッフが参加しています。ウォルト・ディズニーが製作総指揮を務め、複数の監督がそれぞれの短編を担当。脚本には、ウィンストン・ヒブラー、アードマン・ペナーなどのベテランたちが名を連ねています。音楽も、ポール・J・スミスを始めとする多くの作曲家によって彩られています。

また、フランシス・ラングフォード、フレディ・マーティン楽団、デニス・デイ、アンドリュー・シスターズ、フレッド・ワーリングとペンシルバニアンズ、エセル・スミスとダイニングシスターズ、ロイ・ロジャースとソング・オブ・パイオニアーズなど、豪華な歌手の顔ぶれも作品の魅力を高めています。

発売状況

過去にはVHSビデオとして発売され、2006年にはディズニー初期作品を集めたDVDセットに収録されました。しかし、単独のDVDリリースは長く実現していませんでした。現在では、Disney+で高画質で視聴することが可能です。

まとめ

『メロディ・タイム』は、多様な魅力が詰まったディズニーの隠れた名作と言えるでしょう。それぞれの短編は、独立した物語として完結しており、それぞれ異なる魅力を味わうことができます。音楽、映像、ストーリー、どれをとっても見どころ満載の作品です。音楽好き、アニメーション好き、ディズニー作品ファンならずとも、一度は見ておく価値のある作品と言えるでしょう。

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