メロディーフェスティバーレン

メロディーフェスティバーレン：ユーロビジョンへの登竜門

メロディーフェスティバーレンは、スウェーデンを代表する音楽イベントであり、世界的に有名なユーロビジョン・ソング・コンテストへのスウェーデン代表選考を目的とした予選大会です。スウェーデンの公共放送局であるSVT（スウェーデン・テレビ）とSR（スウェーデン放送）が共同で主催しており、毎年多くの視聴者を魅了しています。

大会の歴史

1958年に第1回大会が開催されて以来、長きにわたってスウェーデンの音楽シーンを牽引してきました。この大会は、数々の世界的スターを生み出したことで知られています。ABBAが1974年に初優勝を果たし、国際的な成功を収めたのは記憶に新しいでしょう。その後も、ヘレイス（1984年）、キャローラ（1991年）、シャロッテ・ニルソン（1999年）、ロリーン（2012年）、モンス・セルメルロー（2015年）など、多くのアーティストがメロディーフェスティバーレンを通じて世界的な舞台へと躍り出ています。

大会方式：セミファイナルから決勝へ

近年、参加楽曲数の増加に伴い、大会方式に変化が見られました。2024年以降は、複数のセミファイナルを導入。合計30組のアーティストが、熾烈な競争を繰り広げます。各セミファイナルの上位2組が決勝進出を果たし、惜しくも決勝進出を逃した3位と4位は敗者復活戦で再びチャンスを得ます。敗者復活戦を勝ち抜いた2組も決勝への切符を手に入れ、最終的に決勝進出を果たすのは12組となります。

決勝は、毎年3月中旬にソルナのフレンズ・アレーナで開催されます。この会場は、大規模なコンサートやイベントに利用される有名なアリーナです。セミファイナルもスカンジナヴィアム、マルメ・アリーナなど、規模の大きいアリーナで開催され、参加アーティストと観客双方にとって、最高の環境が提供されています。

放送時間は、2月第1週から3月の第2週の土曜日午後8時（CET）と固定されています。決勝放送の前後には、ユーロビジョン・ソング・コンテストと同様に、マルカントワーヌ・シャルパンティエ作曲の「Te Deum」のプレリュードがテーマソングとして使用されています。

投票方法：審査員と視聴者の共同選出

優勝者を決定する投票方法は、国際審査員による審査と視聴者投票の両方で行われます。審査員は、1位に12点、2位に10点、以降8点、6点、4点、2点、1点と、順位に応じて点数を付与します。一方、視聴者投票は、投票総数に基づいて割合が計算されます。審査員と視聴者の投票結果を合計し、最も高得点を得たアーティストが優勝となり、5月に開催されるユーロビジョン・ソング・コンテストへの出場権を獲得します。

放送：テレビ、ラジオ、インターネット

スウェーデン国内ではSVT1、海外ではSVTワールドでテレビ放送されます。かつてはTV2（現在のSVT2）でも放送されていました。ラジオ放送は、P1、P3、P4のいずれかのチャンネルで行われています。2002年はソルトレイクシティオリンピック開催の影響で、放送が遅れるというハプニングもありました。

2005年からは公式サイトでのインターネットライブストリーミングも開始され、視聴機会が大きく拡大しました。また、2004年からはテレビ放送において、5.1サラウンドステレオによる高音質・高画質の放送が実現しています。

メロディーフェスティバーレンは、単なる音楽コンテストにとどまらず、スウェーデンの音楽文化を象徴する一大イベントであり、世界中から注目を集めています。今後も、新たなスターを発掘し、音楽シーンを盛り上げていくことが期待されています。

もう一度検索