メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクール

メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクール

メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクールは、ドイツ連邦共和国で開催される作曲を対象とした国際的な音楽コンクールです。このコンクールは、ドイツのノルトライン＝ヴェストファーレン州に位置する都市、メンヒェングラートバッハ市によって主催されています。

沿革と概要

コンクールは1980年に、メンヒェングラートバッハ市が国際作曲賞を設立したことに始まります。当初から、受賞作品は市内で開催される「アンサンブリア芸術祭（Ensemblia Festival）」の中で初演されるという形で運営されてきました。このアンサンブリア芸術祭自体は、資金面の課題などから1980年以降は二年ごとの隔年開催となっています。

この作曲賞からは、これまでに多くの優れた作曲家が輩出されています。例えば、日本の松下功や木山光をはじめ、ドイツのロベルト・HP・プラッツ（Roberto H. P. Platz）、ヴァルター・ツィンマーマン（Walter Zimmermann）、スペインのイエズス・トーレス（Jesús Torres）、そして日本のロクリアン正岡など、国際的に活躍する作曲家らが受賞者として名を連ねています。このコンクールの正式な名称には、歴史的な経緯もあり、一定の揺れが見られることが指摘されていますが、例えば2006年の募集要項では「メンヒェングラートバッハ市主催アンサンブリア国際作曲コンクール2006（International Ensemblia Composition Competition in Mönchengladbach 2006）」という名称が用いられており、これが公式な呼称に近いと考えられています。

コンクールは設立当初、隔年開催であったアンサンブリア芸術祭に合わせて二年ごとに実施されていましたが、後に開催頻度が一時的に四年ごとに一度へと改められた時期がありました。また、この時期には、審査の結果、最優秀賞の該当者が出ない回があるなど、運営上の困難も抱えていたとされています。

近年の変化と現状

しかし、2006年度（本選は翌年に実施）以降は、コンクールの運営に新たな動きが見られました。インターネットを活用した積極的な広報が強化され、より多くの作曲家への周知が図られました。これにより、コンクールへの応募者数が増加しました。また、この時期からは、入賞者に対して総額7,500ユーロの賞金が分配される形式となり、入賞作品はラジオで放送される機会も得て、作品発表の場が広がりました。

こうした取り組みにより注目度が高まった一方で、2009年の回では応募者数が著しく増加し、その審査に困難が生じるなど、複数の要因が重なった結果、コンクールの性質が変化しました。2012年以降は、国際コンクールという形態から、ドイツ国内の作曲家のみを対象とする国内コンクールへとその性質を変えています。

設立から40年以上の歴史を持つこのコンクールは、その形態や運営方法を時代とともに変化させながら、作曲家への支援を継続しています。かつては国際的な登竜門としての役割も果たしましたが、現在はドイツ国内の作曲シーンに貢献するコンクールとして位置づけられています。コンクールの詳細な情報は公式サイトで確認できます。

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