木山光

木山光（きやま ひかり）

木山光（1983年10月14日 - ）は、日本の現代音楽作曲家であり、その独創的な作風で国際的な注目を集めています。岡山県金光町（現・浅口市金光町）出身。

経歴

2002年、岡山県立岡山城東高等学校音楽コースを卒業後、東京音楽大学に進学。作曲を久留智之、糀場富美子、成田和子、久田典子、三木稔らに師事し、その才能を開花させました。2006年からは活動拠点を海外に移し、ハーグ王立音楽院ソノロジーコースおよび作曲コース修士課程、ベルギー・ブリュッセル王立音楽院を経て、2011年よりベルギー・モンス王立音楽院大学院に在籍しました。

活動歴

木山氏は、2002年にトングピアノデュオ作曲コンクールで最上位入賞を果たし、海外で初めて作品が演奏されました。その後も、東京国際室内楽作曲コンクール入選、日本[[現代音楽協会]]主催コントラバス・フェスタII公募入選など、数々のコンクールで入賞。

2004年には、インターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミーのアクティブ・コンポーザーに選出され、アンサンブル・モデルンによって作品が東京芸術劇場で公開実演されました。2006年には、ガウデアムス音楽週間内若手作曲家対象国際コンクールで室内オーケストラ作品がノミネートされ、オランダの実験アンサンブルLOOSにより演奏されました。同年、Associazione Musici Mojanesi主催作品公募木管四重奏部門で第1位を獲得し、イタリアのArsPublicaから作品演奏が行われ、受賞作に版権が与えられました。

2007年には、Young Composers Meeting 2007で第1位を受賞し、翌年のYCM2008のためにオーケストラ作品を委嘱されました。また、Heidelberger Atelierに参加し、ヴォルフガング・リームのレッスンを受けるなど、研鑽を積みました。ガウデアムス国際音楽週間では、2007年、2008年と連続でノミネートされるという快挙を成し遂げました。

その後も、メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクール2009第2位及び聴衆賞、若手作曲家対象ユルゲンソン国際コンクールのファイナリスト選出、ブローニュ＝ビヤンクール地方音楽院主催教育用作品作曲コンクール優勝など、受賞歴は枚挙にいとまがありません。

作風

木山氏の作風は、同音連打や極端な音量への偏愛、そして演奏者への過酷な要求を伴う書法が特徴的です。近年では、奏者の発声など、劇場的な表現にも関心を広げています。ノイズの中から特殊な音程を伴う旋法性が聴かれることも大きな特徴であり、彼が使う旋法の一つにA, Bb, B, D, Eb, E, G, G#があります。隣接する音程を3つ重ねると半音トーン・クラスターになることから、「きたない」音質を効率的に生み出しています。その一方で、平易な全音階も用いられ、作品全体のトーンに幅を与えています。また、サクソフォーン四重奏のための作品は依頼に応じて調性を用いて書かれています。

池辺晋一郎は、木山氏の作品について『弦楽器、管楽器などという、一つ一つの楽器の個性を区別しない音響体』と評しました。木山氏の作品においては、初期から楽器編成に特徴がみられ、「妨げられ、罵られ、虐げられるもの (2004)」ではモダン・チェンバロとチェレスタのような強音に不向きな楽器ですら、強音のための一素材と化しています。また、同一作品上にて楽器編成を異にした複数のヴァージョンを用意することもあり、例えば近年の作品「スリーシェルズ」では各パートにarmと名づけられ、音域の合う楽器で可能な限り全てのヴァージョンを試すことが演奏家に要求されています。

木山氏は、自らの音楽について「古代エジプト/ギリシャ音楽から現代音楽、ロックまであらゆる音楽を作曲、復元作曲、蘇曲しようとしている」と語っています。

主な作品

木山光氏は、管弦楽作品、アンサンブル作品、室内楽作品、邦楽器のための作品、ピアノ独奏作品、声楽作品など、幅広いジャンルにわたり作品を発表しています。

管弦楽作品: Double Concerto EDEN for Clarinet,Harp and Orchestra、妨げられ、罵られ、虐げられるもの for chamber orchestra (2004)、Concerto for 2 Pianos (2004)、Concerto for Electric Violin (2005)、Concerto for Alto Sax (2006)、International short (2007)
アンサンブル作品: kailominoth for chamber ensemble (2002)、uvala erring for wind ensenble (2002)、evil dead for 12 players (2003)、Guan-sheng-di-qun (Concerto for B.Sax, Piano&Percussion) (2004)、Distortion Orchestra 2005 for 7 players with electronics (2005)、666 (2006)、Luminous Orchestra 2008, for 16 musicians (2007-2008, 10)、ハデヴィッヒ for 7 players with electronics (2011)

ディスコグラフィー

『message-三味線独奏曲集-』SCD-013/015 発売元 SION RECORDS
『三絃 野澤徹也4 パッセージ』SCD-016 発売元 SION RECORDS

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