メールドグラース

メールドグラース：日本とトルコの競走界を駆け抜けた一頭

メールドグラースは、2015年北海道安平町のノーザンファームにて誕生した競走馬です。一口馬主法人「キャロットクラブ」によって募集され、育成はノーザンファーム早来で行われました。デビュー当初は目覚ましい活躍は見られませんでしたが、潜在能力を秘めた存在でした。

2017年、栗東・清水久詞厩舎に入厩。数々のレースを経て、2018年3月に初勝利を収めます。その後も着実に勝利を重ね、1000万下クラスへと昇級。2018年1月には4歳上1000万下を制し、続く尼崎ステークスでも勝利を収め、オープンクラスへとステップアップを果たします。

そして、2018年4月、新潟大賞典（GIII）で重賞初挑戦。7番人気という下馬評を覆し、見事勝利を掴みます。この勝利は、元号が平成から令和へと変わる直前に行われた、平成最後の重賞競走を制覇したという歴史的意義も持つこととなりました。

続く鳴尾記念（GIII）、小倉記念（GIII）でも勝利し、3つの重賞タイトルを獲得。勢いに乗るメールドグラースは、2019年10月、オーストラリアへと遠征し、コーフィールドカップ（G1）に挑戦します。 ダミアン・レーン騎手を鞍上に、見事優勝。G1初制覇という偉業を成し遂げました。この勝利は、清水調教師にとっても海外重賞初制覇となりました。

しかし、続くメルボルンカップでは6着に終わり、その後の検査で左前脚の屈腱炎が発覚。惜しまれつつも、2021年2月9日、引退が発表されました。当初は乗馬になる予定でしたが、トルコで種牡馬となることが決定。2021年5月にトルコへと輸出され、オズチョラック牧場で繋養されることとなりました。

2023年には、初年度産駒が誕生し、27頭が血統登録されました。メールドグラースの血統は、母グレイシアブルー（中央で3勝）、そして近親に福島記念優勝馬グラスボンバーを持つ、優れたものと言えるでしょう。

メールドグラースの競走生活は、華々しい勝利と惜しまれる引退という、ドラマチックなものでした。一口馬主からG1ホースへと上り詰め、海外遠征での活躍、そしてトルコでの新たな挑戦。その軌跡は、多くの競馬ファンに感動と記憶として刻まれています。その競走成績は、netkeiba.com、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できます。メールドグラースの今後の活躍にも期待したいところです。

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