モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜

『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』

2021年1月23日から4月3日までテレビ朝日で放送された『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』は、ヒューマンドラマの一つで、全10話が展開されました。主演には小芝風花が起用され、その個性的なキャラクターを通じて、現代社会の困難を描き出しています。ドラマは、数多くのヒューマンドラマを書いてきた橋部敦子が初めて手掛けるテレビ朝日系の作品としても注目され、2021年の第39回向田邦子賞を受賞しました。

あらすじ

本作の主人公・清水萌子美（しみず もこみ）は、物体や植物、さらにはぬいぐるみの気持ちを読み取ることができる、特異な能力を持つ女性です。彼女の繊細な感覚は、幼い頃からの経験によって形成されてきましたが、この特異性が原因で周囲から理解されず、悩みを抱えることになります。彼女は小学5年生の時点から不登校気味になり、中学に通うことなく通信制の高校を卒業します。社会での孤立感は深まりますが、そんな彼女の中に響くのは、信頼できるぬいぐるみ「トミー」との対話のみ。そのトミーとは、彼女の感情や悩みを共有する存在でもあります。

2年前、母・千華子の勧めで工場でアルバイトを始めた萌子美ですが、母が彼女の能力を信じないことで葛藤が生まれ、ついにはアルバイトを辞め、生花店で働くことを決意します。そこから、彼女の能力は新たな形で開花し、花の気持ちを理解することで独自のフラワーアレンジメントを生み出します。これにより、彼女の人生は大きく変わり、自己の存在意義を感じるようになります。

キャスト

• - 清水萌子美（しみず もこみ）: 小芝風花
• - 清水千華子（しみず ちかこ）: 富田靖子
• - 清水伸寛（しみず のぶひろ）: 田辺誠一
• - 清水俊祐（しみず しゅんすけ）: 工藤阿須加
• - 依田涼音（よりた すずね）: 水沢エレナ
• - 須田観（すだ かん）: 橋爪功

主要キャラクターの特徴

清水萌子美

彼女は感情を持つはずのない物の気持ちを感じ取ることができる特殊な能力を持っているため、周囲とのコミュニケーションに苦しんでいます。彼女の成長を見守るぬいぐるみ「トミー」は、彼女の心の支えです。物の声が聞こえなくなることに不安を感じながら、真の自分を探し続けます。

清水千華子

萌子美の母。過干渉な性格で、子供を守ろうとするあまり余計に困難を生み出しています。自分の言動が娘を追い詰めていたことに気づき、反省と謝罪の気持ちを持つようになります。

清水伸寛

税理士として働く父。妻・千華子との関係に悩みながらも、自由を求めて田舎暮らしを希望します。

清水俊祐

萌子美の兄で、生花店を経営している彼は、家族に対する愛情を持ちながらも、自分の道に悩みます。

作品のテーマ

本作を通じて、大切なことは自己を受け入れることや、他人とのコミュニケーションの重要性が描かれています。萌子美が成長し、自分の道を見つける姿は、視聴者に感動を与えることでしょう。特異な能力を持つ彼女は、ただの異端者ではなく、多様性を受け入れることの大切さを教えてくれます。家族や友人との絆を深めたり、ひきこもりの社会的な認識を変えたりする彼女の物語は、身近なテーマとして観る者に響きます。

受賞歴

『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』はその斬新な視点により高く評価され、向田邦子賞を受賞しています。委員会は、物や植物との対話を通じて正直に生きる姿を「さわやかな感動」として評価しました。正直さと周囲への優しさが作品に表現されています。

本作は、また新たなヒューマンドラマの形を提示することで、多くの視聴者に深い印象を残しました。

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