モスクワ国際関係大学

[モスクワ]]国際関係大学]：[[ロシア外交の要を担うエリート養成機関

モスクワ国際関係大学（MGIMO、Moscow State Institute of International Relations）は、ロシア連邦モスクワに位置する国立大学です。1944年、モスクワ大学国際関係学部を母体として、ソ連外務省付属の高等教育機関として設立されました。以来、ロシア、そして旧ソ連における外交、対外経済関係、国際ジャーナリズム分野のエリート育成機関として、その地位を確固たるものとしてきました。

歴史と伝統

MGIMOの設立は、第二次世界大戦後の国際情勢の変化と、ソ連における国際関係専門家の育成の必要性から生まれました。著名な歴史家や国際法学者らが設立に関与し、当初は国際関係、経済、法学の3学部から構成されていました。1954年には、ロシア最古の教育機関であるモスクワ東洋学院と統合され、その歴史と伝統を継承することとなりました。ソビエト連邦時代には、外務省をはじめ、対外経済関係省、報道機関、国際問題研究所などに多くの優秀な人材を輩出しました。ソ連崩壊後も、その役割は変わらず、モスクワ大学と並ぶ国家エリート養成機関として、高い評価を得ています。

教育体制と研究

MGIMOは現在、6学部と4研究所から構成されています。各学部では、国際関係、国際法、国際経済、政治学、国際ジャーナリズム、国際ビジネスなど、幅広い分野を網羅した教育課程が提供されています。また、欧州学研究所、国際行政研究所、対外経済関係研究所、国際エネルギー政策・外交研究所といった専門性の高い研究所も設置されており、高度な研究活動も盛んに行われています。

学部一覧:

国際関係学部
国際法学部
国際経済関係学部
政治学部
国際ジャーナリズム学部
国際ビジネス・業務管理学部

研究所一覧:

欧州学研究所
国際行政研究所
対外経済関係研究所
国際エネルギー政策・外交研究所

さらに、予科や資格向上学部なども設置されており、多様な学習ニーズに対応しています。2000年時点では、約4500名の学生（留学生約500名を含む）が学んでおり、教職員は約1100名に上ります。その中には、博士号を持つ教授や準教授が多数含まれ、ロシア科学アカデミーに所属する学者も在籍しています。日本語、日本史、日本経済などを学ぶことも可能です。

著名な卒業生

MGIMOは、ロシアのみならず、世界各国で活躍する多くの著名な卒業生を輩出しています。その中には、各国の大統領、外務大臣、国際機関の事務総長、大使など、国際社会をリードするリーダーたちが数多く含まれています。例として、アゼルバイジャン大統領、カルムイク共和国大統領、スロバキア外務大臣、ロシア外務大臣、駐日ロシア大使などが挙げられます。日本人卒業生もおり、ロシアにおける外交、政治、経済分野で活躍しています。

国際的な展望

MGIMOは、国際的な交流にも積極的に取り組んでおり、世界各国からの留学生を受け入れています。また、多くの大学との学術交流協定を締結しており、国際的なネットワークを構築しています。今後も、ロシアの外交・国際関係の中核を担う人材育成機関として、その役割を果たし続けるでしょう。

MGIMOは、単なる大学を超えた、ロシア外交の象徴と言える存在です。その歴史、教育、そして卒業生たちの活躍は、ロシアの国際社会における地位と影響力を示す重要な指標となっています。

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