モダリティ

モダリティとは

モダリティ、または法性、様相性とは、言語において話し手が表現する判断や態度、すなわち聞き手に対する情報の伝え方に関連する概念です。具体的には、内容の確実性や可能性、義務、許可といったニュアンスを持つ言語表現がモダリティに該当します。

モダリティの種類

モダリティは大きく分けて、対事モダリティと対人モダリティの二種類に分類されます。対事モダリティは、話し手が述べた内容に対する見解や推測を示す表現です。一方、対人モダリティは、聞き手に対する感情や態度を伝えるための表現です。

対事モダリティ

たとえば、「きっと雨が降るだろう」という文では、「雨が降る」という事実に対する話し手の推測が「きっと～だろう」という形で示されています。対事モダリティには、可能性や蓋然性を示す認識様態モダリティと、義務や許可を表現する義務モダリティがあります。

• - 認識様態モダリティ（epistemic modality）: 例えば「かもしれない」や「だろう」といった表現が該当し、事実の認知や推測を示します。
• - 義務モダリティ（deontic modality）: 「なければならない」「てもよい」などの表現があり、義務や許可を表します。

これらのモダリティは、時には同じ形式を用いることがあります。たとえば、英語の「must」は「に違いない」や「なければならない」という意味を持ち、「may」は「かもしれない」や「てもよい」といった義務と可能性の両方の意味で使われます。

対人モダリティ

対人モダリティは、話し手が聞き手に対してどう感じているかを表現します。例えば、「おいしいね」や「おもしろいよ」といった表現には、話し手の感情や意見が含まれています。このように、聞き手に対する言語的な態度を明確にすることが、対人モダリティの特徴です。

モダリティの表現

モダリティを表す文法的な形式を特に「ムード」と呼ぶことがあります。動詞の語形変化に関連するこのムードは、言語によって異なる場合があります。そして、ムードで表しきれない意味を持つ助動詞などの体系全体を指して「モダリティ」と呼ぶことが一般的です。

参考文献

• - 赤塚紀子・坪本篤朗『モダリティと発話行為』研究社出版、1998年。
• - Palmer, Frank Robert.（2001）Mood and Modality. Oxford University Press。

関連項目

• - 様相論理
• - 法（文法）
• - 証拠性（言語学）
• - 文末助詞

モダリティに関する理解を深めることは、コミュニケーションにおける意味やニュアンスを把握する上で非常に重要です。

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