動詞

動詞とは

動詞（英: verb）は、動作や状態を表す品詞の一つです。一般的に、動詞は名詞句（主語や目的語）を伴って文を構成します。特に、時制を持つ言語では、動詞が時制を表す役割を担います。

動詞の基本的な性質

動詞は、ほとんどすべての自然言語に存在する基本的な品詞です。例えば、「走る」や「消える」といった動作を示すものから、「ある」「違う」「匹敵する」などの状態を示すものまで多岐にわたります。一般的に、動詞は主語、目的語などと結びついて文を形成し、多くの言語では動詞が態（ヴォイス）、相（アスペクト）、時制（テンス）などに応じて変化します。また、主語の性や数、人称に応じた一致が求められることもあります。

動詞の分類

結合価による分類

動詞は、取り得る項の数によって分類が可能です。例えば、完全に項を取らない動詞（イタリア語の「piove」やスペイン語の「llueve」など）や、3つ以上の項を取ることができる動詞もあります。

相による分類

動詞は、相の特性に基づいても分類されます。持続する動作を示す継続動詞と、瞬間的な動作を示す瞬間動詞に分かれるほか、目的や状態に基づく目標動詞や非目標動詞の分け方も存在します。特にヴェンドラーは、動詞を4つのカテゴリに分類しています。

日本語に関しては、金田一春彦による4分類（状態動詞、継続動詞、瞬間動詞、第四種の動詞）が提唱されています。金田一の分類基準は「～ている」であり、ヴェンドラーの進行形（V-ing）とは異なります。

意志や視点による分類

動詞は意志や視点に基づいても分類可能です。これについても日本語特有の視点が存在します。

日本語の動詞の特徴

日本語の動詞は形態により、大きく3種類に分類されます。五段動詞、一段動詞、不規則動詞（「する」と「来る」）です。五段動詞は子音変化を伴う動詞であり、一段動詞は母音変化の少ない動詞を指します。

助動詞との関係

日本語では、「-て」に続く動詞が文法的機能を果たす場合があり、これを助動詞と呼びます。国文法においても、動詞は用言の一部として扱われ、活用する自立語として位置づけられています。

動詞の活用形

日本語の動詞は、それぞれの形に応じた活用を持ちます。特に、複合動詞は二つ以上の動詞を組み合わせて作られ、前項と後項に分かれることがあります。特に、前項動詞の種類に対する制限が少ない後項動詞があり、助動詞としても活用されるケースがあります。

英語における動詞

英語の動詞には、be動詞のように状態を表すものや、自動詞、他動詞があります。句動詞として、副詞や前置詞を含む形で用いられることもあります。

朝鮮語の動詞

朝鮮語の動詞も日本語と同様に多様な変化を示し、敬語や時制に応じて活用します。他の語に接続するための接尾辞も多く、状況によって形容詞が動詞とみなされることもあります。

参考文献

• - 『日本語動詞のアスペクト』（金田一春彦編、むぎ書房、1976年）
• - 『動詞の研究』（高橋太郎、むぎ書房、1994年）

関連項目

現代日本語文法、日本語、品詞、名詞、形容詞、形容動詞、規則動詞、不規則動詞などが関連する項目として挙げられます。

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