モナリザの微笑 (曲)

モナリザの微笑

「モナリザの微笑」（モナリザのほほえみ）は、1960年代後半に一世を風靡した日本のグループサウンズ、ザ・タイガースが放った記念すべき3枚目のシングルとして、1967年 8月15日に発売されました。この楽曲は、彼らのキャリア初期における重要な作品の一つであり、グループの人気を不動のものとした楽曲として知られています。

楽曲制作

この楽曲の制作には、当時の日本の音楽シーンを牽引していた才能が集結しました。作詞は、前作シングル「シーサイド・バウンド」に引き続き、叙情的で情感豊かな言葉を紡ぐ橋本淳氏が担当。そして、作曲も同じく「シーサイド・バウンド」を手がけ、後に数多くのヒット曲を生み出すことになるすぎやまこういち氏が手がけました。両氏のタッグは、ザ・タイガースの音楽性を特徴づける重要な要素となり、この「モナリザの微笑」でもその才能が遺憾なく発揮されています。編曲もすぎやまこういち氏が担当し、楽曲の世界観を彩るサウンドを創り上げています。

チャート成績

「モナリザの微笑」がリリースされた1967年は、日本の音楽チャートの歴史において変革期にあたる時期でした。現在最も広く知られているオリコンシングルチャートが正式に発足するのは1968年1月であり、この楽曲の発売時点ではまだ存在していませんでした。しかし、当時の主要な音楽メディアであった集英社発行の音楽雑誌『ヤング・ミュージック』の1967年11月号で発表された国内版ランキングでは、見事に最高位である第1位を獲得しています。これは、当時の音楽ファンからの熱狂的な支持を示すものと言えるでしょう。その後、オリコンチャートが正式に運用を開始した1968年 1月4日付のチャートでは、この楽曲も18位にランクインを果たしており、発売から一定期間が経過した後も根強い人気を保っていたことがうかがえます。

収録曲

シングル盤には、表題曲である「モナリザの微笑」と、B面に「真赤なジャケット」が収録されました。両曲ともに、作詞は橋本淳、作曲・編曲はすぎやまこういちという布陣で制作されています。

1. モナリザの微笑 (Mona Liza's Smile) [演奏時間: 2分30秒]
表題曲であり、儚くも美しいメロディーラインと、青春の揺れる心情を描いた歌詞がリスナーの心を掴みました。ザ・タイガースの初期を代表するバラードナンバーとして語り継がれています。
2. 真赤なジャケット (Red Jacket) [演奏時間: 2分55秒]
シングルのカップリング曲として収録されたこの楽曲も、A面とは異なる魅力を持つナンバーです。タイガースらしい若々しいエネルギーを感じさせる楽曲であり、こちらもファンに愛されています。

主な収録アルバム

「モナリザの微笑」は、シングルとしてだけではなく、様々なザ・タイガースのアルバムにも収録されており、その度に異なる形で楽曲を聴くことができます。

『THE TIGERS ON STAGE』 (1967年)
彼らがライブで演奏した様子を収めたアルバムで、「モナリザの微笑」もライブバージョンとして収録されています。ステージでの熱気やメンバーの生演奏による魅力を感じ取れるバージョンです。
『世界はボクらを待っている』 (1968年)
このオリジナルアルバムには、「モナリザの微笑」と「真赤なジャケット」の両曲が収録されています。アルバムに収録されるにあたり、シングルとは異なるリミックスが施されており、サウンドプロダクションの違いを楽しむことができます。
『A-LIVE』 (1982年)
1980年代に入ってからのライブアルバムにも、この楽曲は収録されました。時代を経て演奏される「モナリザの微笑」は、グループの円熟味を感じさせるものとなっています。

カバーバージョン

この時代を彩った名曲「モナリザの微笑」は、後世のアーティストによってもカバーされ、歌い継がれています。

メイジャー・チューニング・バンド (1977年)
様々なヒット曲をメドレー形式でカバーすることで知られるメイジャー・チューニング・バンドは、1977年にリリースしたメドレー曲「ソウル・これっきりですよ!!」（同名のシングルに収録）の中で、この「モナリザの微笑」をその一曲として歌唱しています。
* ザ・カーナビーツ (1999年)
同じグループサウンズの時代を共に駆け抜けた盟友、ザ・カーナビーツも、この楽曲をカバーしています。彼らのカバーは、1999年に発売されたアルバム『ファースト・アルバム&モア』の中に収録されています。異なるグループによる解釈でこの名曲を味わうことができます。

「モナリザの微笑」は、ザ・タイガースの初期の代表曲として、彼らの音楽性と当時の社会現象ともなったグループサウンズ人気の象徴として、日本のポピュラー音楽史に確かな足跡を残した楽曲と言えるでしょう。

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