モハメド・アブドゥライ・モハメド

モハメド・アブドゥライ・モハメド：ソマリアの政治家、通称ファルマージョ

モハメド・アブドゥライ・モハメド（通称：ファルマージョ）は、1962年生まれのソマリアの政治家、外交官です。2017年から2022年までソマリア大統領を務めました。ソマリ族出身で、アメリカとソマリアの二つの国籍を持っています。

経歴

ソマリア首相就任まで

1962年、モガディシュで生まれ、ゲド地域で育ちました。両親はソマリ青年同盟の党員で、父親は運輸省に勤務していました。アメリカ合衆国に移住後、ニューヨーク州立大学バッファロー校で歴史学の学士号、さらに政治学の修士号を取得しました。修士論文の題は「アメリカ合衆国のソマリアへの戦略的関心：冷戦時代から対テロ戦争まで」です。バッファロー市では住宅コミッショナーや鉛削減プログラムの事例管理員、エリー郡雇用機会均等部門での勤務を経て、アメリカ合衆国運輸省でも人権関連の業務に携わりました。また、エリー・コミュニティ大学でリーダーシップスキルと紛争解決を教えていました。

首相時代

2010年10月、シェイク・シャリフ・シェイク・アフマド大統領によって首相に指名され、議会の承認を得て就任しました。就任後、内閣の大幅な削減や腐敗防止委員会の設立、公務員の海外出張制限など、様々な改革を実施しました。しかし、大統領選挙の延期を巡る対立から、2011年6月に辞任しました。その後、アメリカ合衆国運輸省に復職し、2012年の大統領選挙に立候補しましたが、落選しました。

大統領時代

2017年2月の大統領選挙で当選し、大統領に就任しました。しかし、2021年の大統領選挙を巡り、中央政府と州の間で対立が発生し、任期延長問題に発展しました。この任期延長は国内外から強い批判を浴び、最終的に撤回されました。その後も首相との対立が続き、政治的な混乱が続きました。2022年5月の大統領選挙に出馬しましたが、ハッサン・シェイク・モハムド前大統領に敗れました。

人物

通称は「ファルマージョ (Farmajo)」。これはイタリア語の「チーズ (formaggio)」に由来し、彼がチーズ好きだったことにちなんでいます。

功績と課題

モハメド・アブドゥライ・モハメドは、首相として、また大統領として、ソマリアの政治改革や腐敗撲滅に尽力しました。しかし、大統領選挙を巡る混乱や首相との対立など、多くの課題も残しました。彼の政治手腕は評価される一方で、その強引な手法は批判も浴びました。

モハメド・アブドゥライ・モハメドは、ソマリアの現代政治において重要な役割を果たした人物の一人と言えるでしょう。

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