モハメド・ブヤ・トゥレイ

モハメド・ブヤ・トゥレイ：不屈の精神で道を切り開くシエラレオネの点取り屋

モハメド・ブヤ・トゥレイ（Mohamed Buya Turay）は、1995年1月10日生まれ、シエラレオネ出身のプロサッカー選手です。現在はデンマークのオーデンセBKに所属し、フォワードとして活躍しています。シエラレオネ代表としても重要な役割を担う、彼の波瀾万丈なキャリアを振り返ります。

幼少期からプロへの道

トゥレイはフリータウンで3人兄弟の末っ子として生まれました。幼い頃からストリートサッカーに明け暮れ、その才能が開花。FC Mattiaへの入団をきっかけに、本格的にサッカーを始めます。当時、クラブのコーチからバス代を支給されていましたが、彼は練習場まで走り、そのお金を家族の食料のために使っていました。このエピソードからも、彼の家族を思う気持ちとストイックな姿勢がうかがえます。

隣国ギニアのクラブからオファーが届くも、FC Mattiaはこれを拒否。その後、別のスカウトの目に留まり、スウェーデンでのトライアルに参加するチャンスを得ます。しかし、当初はヴァサルンズの幹部に能力を認められず、ナイジェリアでのトライアルも検討していました。そんな中、彼の才能を高く評価した代理人がユヴェントスと交渉し、ビザを延長。スウェーデンでプレーできる道が開かれました。スウェーデンでの生活は決して楽ではありませんでしたが、すぐに結果を出し、2013年にはディヴィジオン3（5部リーグ）で11試合20ゴールという驚異的な成績を収めます。この活躍が、スタンダール・リエージュやゲフレといったクラブの目に留まることになりました。

スウェーデンでの躍進

2014年8月、エッタン（3部リーグ）のヴェステロースに移籍しますが、この移籍を巡ってはクラブ間で意見の相違がありました。しかし、スウェーデンカップのエステルスンド戦で2ゴールを挙げるなど、すぐに実力を証明。エッタンでは9試合6ゴールを記録しましたが、シーズン終了後にヴェステロースを退団します。

2015年8月、スーペルエッタン（2部リーグ）のエシルストゥーナへ移籍。2016年にはフォワードのファーストチョイスとしてチームの主力に定着し、クラブのアルスヴェンスカン（1部リーグ）昇格に大きく貢献しました。2017年シーズンも好調を維持しましたが、気性の荒さから退場処分を受けることもありました。しかし、2シーズン連続でチームの最多得点者となるなど、その得点能力は疑いようもありませんでした。

2018年3月、アルスヴェンスカンに昇格したダルクルドFFに3年契約で移籍。エステルスンド戦で2ゴールを挙げ、クラブのアルスヴェンスカン初勝利に貢献するなど、活躍を見せました。

ベルギー、そして中国へ

2018年8月、ベルギー・ファースト・ディビジョンAのシント＝トロイデンVVに移籍。しかし、出場機会は限られ、スウェーデンへの帰還を希望しました。

2019年1月、アルスヴェンスカンのユールゴーデンIFへ期限付き移籍。加入後すぐに主力に定着し、エースストライカーとしてコンスタントに得点を重ねました。最終的に15ゴールを挙げ、得点王に輝き、クラブを14年ぶりのリーグ制覇に導きました。完全移籍を望んでいましたが、ユールゴーデンがトゥレイを買い取ることは困難でした。

2020年7月、中国の河北足球倶楽部へ移籍。スーパーリーグデビューを果たし、ゴールとアシストを記録しました。

スウェーデン復帰と代表での活躍

2022年7月、3年半の契約でマルメFFに移籍し、スウェーデンに復帰。代表としては、2018年9月にアフリカネイションズカップ予選でデビュー。2022年のアフリカネイションズカップにも出場しました。

人物像

トゥレイは、幼い頃に父親が出稼ぎに出ていたため、母親に育てられました。教師である母親は学業を優先してほしいと考えており、サッカーには反対していました。そのため、FC Mattiaに通っていたことを隠していたそうです。ユールゴーデンでのチームメイトであるエドワード・チルフヤは、トゥレイを親友であり、兄のような存在だと語っています。

2022年7月には結婚式を挙げましたが、マルメへの移籍と重なったため、兄が代理で新郎役を務めました。

モハメド・ブヤ・トゥレイは、逆境に負けず、自身の才能と努力で道を切り開いてきた選手です。今後の更なる活躍が期待されます。

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