モハンマド・アリー・ラジャーイー

モハンマド・アリー・ラジャーイー（ペルシア語: محمدعلی رجایی; Moḥammad-‘Alī Rajāī; 1933年7月15日 - 1981年8月30日）は、イランの政治家であり、イラン革命後に第二代大統領を務めました。彼はまた、首相としても活躍し、首相在任時には外務大臣も兼任するという異例の経歴を持っています。日本のメディアでは、かつて「ラジャイ」と表記されていました。

生い立ちと教育

ラジャーイーは1933年、ガズヴィーンで誕生しました。教育者としての道を志し、1959年にタルビヤト・モアッレム大学から教育学の学位を取得して卒業しました。

革命への参加と活動

彼はイラン・イスラーム革命の強力な支持者であり、革命運動に深く関与しました。特に、イランの大学における欧米の影響力排除を目指す運動の指導者として活躍し、この活動は後にイスラーム文化革命として知られるようになります。また、イランにおける70歳定年制導入の運動を主導するなど、社会改革にも積極的に取り組みました。

突然の暗殺

1981年8月30日、ラジャーイー大統領はモハンマド・ジャヴァード・バーホナル首相と共に、イラン防衛最高評議会に出席中に悲劇に見舞われました。事件を目撃した人物の証言によると、ラジャーイー大統領が信頼していた補佐官が、会議室にブリーフケースを持ち込み、大統領と首相の間に置いた後、立ち去りました。その後、別の人物がブリーフケースを開けると、それが起爆装置となり爆発が発生。会議室は炎に包まれ、ラジャーイー大統領、バーホナル首相を含む5名が犠牲となりました。この事件は、反体制武装組織であるムジャヒディン・ハルクによって実行されたとされています。

ラジャーイーの大統領在職期間は、わずか16日という短いものでした。教育者から政治家へ、そして大統領へと駆け上がった彼の人生は、突然の暗殺によって幕を閉じたのです。

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