モバイルPASMO

モバイルPASMOとは

モバイルPASMOは、株式会社パスモが提供する、スマートフォンで利用できるIC乗車券・電子マネーサービスです。従来のカード型PASMOの機能をそのままスマートフォンで利用できるだけでなく、アプリならではの便利な機能も搭載しています。

具体的には、おサイフケータイ対応のAndroid端末向けの「モバイルPASMO for Android」と、Apple Pay対応のiPhoneやApple Watch向けの「Apple PayのPASMO」があります。

サービス開始の経緯

2020年3月18日、まずAndroid版のサービスが開始されました。当初、iPhoneやApple Watchへの対応は未定でしたが、同年8月には対応が発表され、同年10月6日にApple Pay版のサービスが開始されました。さらに、2022年9月28日にはGoogle Payでの決済にも対応しています。

交通系ICカードのモバイルアプリ化としては、JR東日本のモバイルSuicaに次ぐもので、PASMOエリアの定期券を求めるユーザーからの要望に応える形で実現しました。技術的な制約や事業者間の調整が課題でしたが、それらを克服し、サービス提供に至りました。

モバイルPASMOの主な機能

モバイルPASMOは、カード型PASMOと同様に、鉄道やバスなどの公共交通機関の利用や、店舗での支払いに利用できます。さらに、以下の点がカード型PASMOと異なります。

残高確認・利用履歴の確認: スマートフォン上で、いつでも残高や利用履歴を確認できます。
オンラインチャージ: クレジットカードを使って、いつでもどこでもチャージできます。
定期券のオンライン購入: 鉄道やバスの定期券を、スマートフォン上で購入できます。
バス特ポイントの確認: バス利用特典サービス（バス特）のポイントやチケットをアプリで確認できます。

ただし、Suicaグリーン券の発行やEX-ICカードのIC乗り継ぎサービスなど、一部のカード型PASMOで利用できるサービスには対応していません。

モバイルPASMOの種類

モバイルPASMOには、会員登録やクレジットカード登録の有無によって、以下の3つの種類があります。

1. 無記名PASMO: 会員登録なしで利用できるPASMOです。電子マネー決済や現金チャージ、バス特の利用が可能です。クレジットカード登録や定期券の搭載はできません。
2. 記名PASMO（クレジットカード登録なし）: 会員登録が必要なPASMOです。無記名PASMOの機能に加え、紛失時の再発行や定期券機能が利用できます。退会時の払い戻しもアプリ上で可能です。
3. 記名PASMO（クレジットカード登録あり）: 上記の機能に加え、オンラインチャージや定期券のオンライン購入が可能です。

割引運賃（小児運賃、障がい者運賃など）には対応していません。

モバイルPASMOの利用方法

乗車券・電子マネーとしての利用

無記名・記名PASMOともに、カード型PASMOと同様に、PASMO対応の鉄道やバスで利用できます。Suicaエリアや首都圏以外のエリアでも相互利用可能です。

定期券としての利用

記名PASMOでは、通勤定期券のほか、一定の条件を満たす通学定期券も利用できます。鉄道事業者を跨いだ連絡定期券や、一部事業者の二区間定期にも対応しています。

チャージ方法

現金チャージ: カード型PASMOと同様に、対応の自動券売機やコンビニエンスストア、セブン銀行ATMでチャージできます。ただし、一部の自動券売機では利用できない場合があります。
クレジットカードチャージ: アプリに登録したクレジットカードでチャージできます。1回あたり500円または1000円単位で1万円までチャージ可能です。
Apple Payでのチャージ: Apple Payでは、Walletアプリから100円以上1円単位で1万円までチャージできます。

オートチャージ

カード型PASMOのオートチャージ設定を引き継ぐことができます。モバイルPASMOアプリからオートチャージ設定も可能です。対応クレジットカードは、PASMO協議会参加事業者の関連カードに限られます。

ポイントサービス

バス利用特典サービス(バス特)に対応しており、アプリでポイントや保有チケットの確認ができます。なお、バス特は2022年3月31日をもって全事業者でサービス終了しました。

また、2020年6月30日まで、政府のキャッシュレス・消費者還元事業によるPASMOキャッシュレスポイント還元サービスにも対応していました。

PASMOカードからの移行

Android版: 記名式PASMOとPASMO定期券を、アプリにID番号を入力することで移行できます。移行当日は定期券情報のみ利用可能で、残高やオートチャージ設定は翌日に移行されます。
Apple Pay版: Walletアプリを使って、カードを重ねることで移行できます。

サービス提供時間

SF利用や現金チャージは24時間対応ですが、以下のサービスは深夜に利用できない時間帯があります。

会員情報関連: 2:00-4:00は利用不可
カード発行関連: 0:50-5:00は利用不可
定期券関連・退会手続き: 23:45-翌5:00は利用不可

対応機種

Android版: Android OSバージョン6.0以上のおサイフケータイ対応機種。機種によってモバイルSuicaとの同時利用可否が異なります。
Apple Pay版: iOS 14.0以上のiPhone 8以降、またはwatchOS 7.0以上のApple Watch Series 3以降。SuicaとPASMOを複数登録できます。

モバイルPASMOの利用手順

アプリを起動後、新規発行かカード型PASMOの移行を選択します。移行の場合は、初回起動時にカード型PASMOのID番号を入力します。

モバイルPASMOとモバイルSuicaの切り替え

モバイルSuicaとモバイルPASMOを両方利用する場合、どちらをメインカードにするか設定が必要です。「おサイフケータイアプリ」で切り替えできます。

各種新幹線チケットレスサービス登録ID

モバイルPASMOアプリ画面上の「i」マークをタップして表示される「PASMO ID番号」が、新幹線チケットレスサービスの登録に必要なID番号です。

退会後の同一スマホでの再発行

退会後、同一スマートフォンで再発行する場合は、翌朝5時以降に「おサイフケータイアプリ」でカード表示を消去した後、モバイルPASMOアプリで発行手続きを行います。また、会員メニューサイト等から退会した場合は、「おサイフケータイアプリ」でモバイルPASMOのカードが「状態を更新する」になっていることを確認し、更新後に、「おサイフケータイアプリ」からカード表示が消えてから、モバイルPASMOアプリで発行手続きを行います。

モバイルPASMOの複数枚利用

Android版: 1つのGoogleアカウントにつき1枚のみ。
Apple Pay版: 1つのApple IDにつき8枚まで発行可能。

Google Payとの連携

Google Payで使用するGoogleアカウントと、モバイルPASMOアプリの連携アカウントは、同一のアカウントにすることが推奨されます。

沿革

2007年3月18日: カード型PASMOサービス開始
2020年3月18日: Android版モバイルPASMOサービス開始
2020年10月6日: Apple Pay版モバイルPASMOサービス開始

関連情報

PASMO公式サイト
モバイルPASMO公式サイト
モバイルPASMO for Android
Apple PayのPASMO
モバイルPASMO 公式サポート
* モバイルPASMO 公式サポートポータル

モバイルPASMOを利用することで、より便利に、よりスマートな移動体験が可能になります。ぜひ、この機会にモバイルPASMOをご利用ください。

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