パスモ

株式会社パスモについて

株式会社パスモは、首都圏の鉄道やバスで利用できるICカード乗車券「PASMO」の発行と運営を担う企業です。PASMO協議会で決定された事項を実行する役割を担っており、PASMOの普及と利便性向上に努めています。

組織概要

株式会社パスモは、首都圏の交通事業者で構成されるPASMO協議会によって企画・立案されたプロジェクトを実施するために設立されました。PASMO協議会が決定した事項を、株式会社パスモが実行するという役割分担になっています。

企業名称としては「パスモ」とカタカナで表記され、PASMO協議会の名称は「PASMO」と英字で表記されます。カードの名称も同様に「PASMO」と英字で表記されています。

従業員は、パスモに直接雇用されるだけでなく、PASMO協議会加盟の交通事業者や駅務機器メーカーからの出向者も多く在籍しています。

事業内容

株式会社パスモの主な事業内容は、ICカード乗車券・電子マネーであるPASMOの発行と管理です。また、パスモ自身が発行するクレジットカード「パスタウンカード」に関する業務も行っています。

ICカード乗車券の相互利用

2009年当時、PASMOはJR東日本のSuica以外のICカードとの相互利用が未定でした。しかし、PASMOの利用エリアがSuicaに比べて限定的であるため、一部の大手私鉄や利用者からは相互利用を拡大する要望がありました。

一方で、PASMO加盟各社局は、PASMOの運用・維持費用に加え、他のICカードとの互換性を持たせるためのシステム改修費用に懸念を示していました。特に経営基盤が弱い中小私鉄・バス会社からは反対意見が出ていました。

しかし、2010年12月18日、JRグループ各社とPASMO協議会、名古屋市交通局、名古屋鉄道、スルッとKANSAI協議会、福岡市交通局、西日本鉄道が、それぞれのICカード乗車券の相互利用を検討を開始したという報道がありました。

検討会を経て、2013年3月23日から、Kitaca（JR北海道）、Suica（JR東日本）、TOICA（JR東海）、ICOCA（JR西日本）、SUGOCA（JR九州）、PASMO、manaca（名古屋市交通局・名古屋鉄道）、PiTaPa（スルッとKANSAI）、はやかけん（福岡市交通局）、nimoca（西日本鉄道）の10種類のICカードで相互利用が可能となりました。このうち、manacaとPiTaPaは新たに相互利用を開始し、9種類で電子マネーの相互利用も可能となりました（PiTaPaは電子マネーの相互利用対象外）。

さらに、新潟交通グループのりゅーと、静岡鉄道グループのLuLuCaのサービスエリア内でも利用が可能となり、佐渡汽船のカーフェリーでも一部利用が可能になりました。

歴史

2004年
2月9日: 大手鉄道事業者9社の共同出資により、パスネット・バスICカード株式会社として設立。
3月1日: JR東日本との共同出資により、PASMOとSuicaの相互利用に伴う共同事務を行う株式会社ICカード相互利用センターを設立。
2005年
12月21日: 社名を株式会社パスモに変更。
2007年
3月18日: PASMOサービス開始（Suica、モバイルSuica、電子マネーの相互利用も同日から開始）。
4月11日: 予想以上の売れ行きで在庫が不足し、定期券を除く新規カードの発行を一時中止。
5月29日: 電子マネー加盟事業者に、京王電鉄、相模鉄道、京成電鉄、首都圏新都市鉄道が新たに加盟。
8月21日: 定期券の発売制限を解除。
9月10日: 記名パスモ、無記名パスモ、小児用パスモの発売制限を解除。
9月29日: オートチャージの新規申込制限を解除し、発売制限を全面解除。
2012年
5月18日: 「マイページ、PASMO履歴照会サービス」を終了。同時に、PASMO履歴郵送サービスも6月30日で終了。
2013年
3月23日: 10種類の交通系ICカードの相互利用サービスを開始。
2019年
9月1日: 短期滞在の訪日外国人向けICカード乗車券「PASMO PASSPORT」発売開始。
2020年
3月18日: スマートフォンでPASMOのサービスが利用可能な「モバイルPASMO」サービスを開始。
* 10月7日: 「モバイルPASMO」サービスがiPhoneおよびApple Watchに対応。



株式会社パスモは、PASMOの普及と利便性向上に努め、人々の生活をより便利にするために、様々な取り組みを行っています。

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