モマセ地方

モマセ地方

モマセ地方は、南太平洋に位置する国家パプアニューギニアを構成する主要な地域区分の一つです。パプアニューギニア国内にある合計四つの地域のうちの一つに数えられます。この地域は、ニューギニア島の北東部に広がる広大なエリアを占めています。地理的には、パプアニューギニアの北西部に位置しています。

地方としての総面積は142,600平方キロメートルに及び、これはパプアニューギニア全体の陸地のかなりの部分を占める広さです。人口については、2011年に実施された国勢調査によると、1,867,657人がこの地域に居住しています。この人口規模は、パプアニューギニア国内でも大きな割合を占めており、多様な文化を持つ人々が暮らしています。

モマセ地方という名称は、行政的な権限を持つ独立した組織や政府機関を指すものではありません。これはあくまで地理的および文化的な便宜上の区分であり、パプアニューギニア政府による公式な地方行政機構とは異なります。しかし、国内の地域分類として広く認識されており、統計や計画立案などの目的で用いられます。

この地方区分に含まれる州は以下の四つです。

サンダウン州 (West Sepik Province): ニューギニア島の最も北西に位置し、インドネシアとの国境に接しています。広大な海岸線と内陸部の多様な地形が特徴です。
東セピック州 (East Sepik Province): 広大なセピック川流域の大部分を含む州です。この川はパプアニューギニア最長の河川の一つであり、流域には独特の文化を持つ多くの部族が暮らしています。内陸部が広く、熱帯雨林が広がっています。
マダン州 (Madang Province): 美しい海岸線、豊かなサンゴ礁、そして火山活動が見られる景観が特徴です。沖合には多くの島々があり、観光資源も豊富です。
モロベ州 (Morobe Province): パプアニューギニア最大の港湾都市であるライを擁する州です。海岸部から内陸の険しい山岳地帯まで、非常に多様な地理環境を含んでいます。農業や鉱業など、経済活動も活発な地域です。

モマセ地方全体としては、海岸平野、広大な河川流域（特にセピック川）、そして内陸部の山岳地帯や高原といった多様な自然環境を有しています。このような地理的多様性は、居住する人々の生活様式や文化にも影響を与えており、数多くの異なる言語や伝統が存在しています。地域の経済は、主に農業、漁業、林業、そして一部の鉱業など、豊かな自然資源に支えられています。

このように、モマセ地方はパプアニューギニアの国土の一部を構成する重要な地域であり、その広大な面積、多様な人口、そして含まれる四つの州それぞれが持つ独自の地理的・文化的特色によって特徴づけられています。行政的な枠組みではなく、あくまで地理的な地域区分として、国内の重要な一角を占めているのです。

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