モルジュ

モルジュ：レマン湖畔の花咲く歴史都市

スイス西部、ヴォー州に位置するモルジュは、広大なレマン湖の美しいほとりに面した基礎自治体です。州都ローザンヌからは西におよそ10キロメートルという近距離にあり、アクセスも良好です。

モルジュの町の歴史は古く、13世紀にはこの地を支配していたサヴォイア家によって堅牢な城が築かれました。このモルジュ城を中心に発展した旧市街には、中世の面影を今に伝える魅力的な街並みが広がっており、歴史散策を楽しむことができます。

自然と景観の魅力

モルジュは「レマン湖の花」という愛称で知られています。これは、年間を通して様々な種類の花々が町を彩ることに由来します。特に春から夏にかけては、チューリップ、アイリス、ダリアなどが色鮮やかに咲き誇り、訪れる人々を魅了します。晴れた日には、レマン湖の対岸にそびえ立つ壮大なモンブラン山群のパノラマを望むことができ、湖と山が織りなす絶景を楽しむことができます。

モルジュ城と歴史

レマン湖畔に堂々と立つモルジュ城は、13世紀にサヴォイア家が築いた城砦で、その建築様式は四隅に円形の塔を持つサヴォイア家の特徴をよく表しています。城内には軍事博物館が設けられており、スイス軍隊の歴史的な活動の変遷や、かつてヨーロッパ各地で活躍したスイス傭兵の歴史に関する展示を見学することができます。

旧市街と暮らし

モルジュ城の正面からは、町の主要な通りであるグランリュー大通りが伸びています。この通りは旧市街の中心として賑わいを見せ、特に水曜日と土曜日には朝市が開催され、地元の新鮮な食材や特産品などが並び、多くの人で賑わいます。

花の祭典：チューリップ・フェスティバル

モルジュ城のすぐ西側、レマン湖に面した場所にはアンデパンダンス公園があります。この公園はモルジュの「レマン湖の花」としての魅力を象徴する場所の一つです。毎年4月から5月中旬にかけて、この公園を舞台に盛大なチューリップ・フェスティバルが開催されます。期間中は、およそ250種類、実に15万本もの色とりどりのチューリップが咲き誇り、公園全体が花のじゅうたんと化します。このフェスティバルは国内外から多くの観光客が訪れるモルジュの春の風物詩となっています。

著名人の足跡

モルジュとその周辺地域は、多くの著名人に愛され、かつて彼らの居住地となっていました。特に有名なのは、伝説的な女優オードリー・ヘプバーンです。彼女は晩年、モルジュ近郊のトロシュナで暮らし、この地で生涯を終えました。その他にも、ポーランドのピアニスト・政治家イグナツィ・パデレフスキや、ロシア出身の作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーなど、国際的に活躍した文化人たちがモルジュとその周辺に居を構えていました。

また、モルジュはスポーツ界で活躍する人物を輩出しています。サッカーのスイス代表ゴールキーパーとして活躍し、現在はセリエAのインテル・ミラノに所属するヤン・ゾマー選手や、NBAのオーランド・マジックに所属するバスケットボール選手のニコラ・ブーチェビッチ選手（モンテネグロ国籍）もモルジュの出身です。さらに、映画監督・脚本家のパトリシア・モラーズや、科学者のフランソワ＝アルフォンス・フォーレルもこの町の出身者として知られています。

歴史的な城と街並み、レマン湖畔の美しい自然、そして一年を通して楽しめる花々。モルジュは、これらの要素が調和した魅力あふれる町として、多くの人々を惹きつけています。

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