モロッコの国章

モロッコの国章は、1957年8月14日に正式に採用され、国の象徴として重要な役割を果たしています。そのデザインは、モロッコ王章に起源を持ち、版画家のゴーティエアとエノーによって作成されました。

国章の中心となるのは、赤い背景に配置された緑色の五芒星です。この五芒星は、モロッコの国旗にも見られる重要なシンボルであり、伝統的に国のアイデンティティを表しています。背景には、雄大なアトラス山脈と輝く太陽が描かれており、モロッコの豊かな自然と希望に満ちた未来を象徴しています。

盾の上部には、国王の王冠が配置されています。これは、モロッコが立憲君主制国家であることを示し、国王の権威と国民からの敬意を表しています。また、盾を支えるように配置された2頭のライオンは、勇気と力を象徴し、国を守護する存在として描かれています。

国章の下部には、アラビア語で碑文が記されたリボンがあります。この碑文は、コーランのスーラ47章7節からの引用で、「汝が神を助けるならば、神も汝を助けるだろう」という意味を持ちます。この言葉は、国民が神を信じ、正しい行いをすれば、神の恩恵を受けられるという教えを示唆し、モロッコの国民精神を象徴するものとなっています。

モロッコの国章は、そのデザインに込められた様々な要素を通じて、国の歴史、文化、自然、そして国民の精神を表現しています。国章は、モロッコ国民にとって誇りであり、アイデンティティの象徴として大切にされています。

関連事項：

国章の一覧
モロッコの国旗
* モロッコの国歌

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