モロー郡 (オレゴン州)

モロー郡の概要

モロー郡は、アメリカ合衆国オレゴン州の北東部に位置する郡で、コロンビア川の南岸に広がっています。東オレゴンを構成する8つの郡の一つであり、その名は、郡の設立時に州議会議員を務めたジャクソン・L・モローに由来します。郡内には、ユマティラ化学物質廃棄施設の一部であるユマティラ・ケミカル・デポが存在します。2000年の国勢調査によると、人口は10,996人で、郡庁所在地はヘプナーです。ペンドルトン＝ハーミストン小都市圏の一部を形成しています。

歴史

モロー郡は、1885年2月16日にユマティラ郡西部とワスコ郡の一部が分離して成立しました。郡の設立当初、ヘプナーが仮の郡庁所在地に指定され、その後、永久的な郡庁所在地の地位を巡ってヘプナーとレキシントンが争いました。最終的にはヘプナーが僅差で勝利し、郡庁所在地としての地位を確立しました。

経済

モロー郡の経済は、酪農業、食品加工業、製材業、牧畜、レクリエーションが主要な柱となっています。コロンビア川が流れていることから、水運に関連した産業も発展しています。特に、ボードマンには石炭火力発電所があり、多くの雇用を生み出しています。

かつてこの地域では、川沿いにライムギが豊富に生育しており、それを牧草として利用した牧畜が盛んでした。しかし、入植者の増加や放牧の過剰利用によって牧草地が減少したため、19世紀には牧畜業は衰退し、代わりに農業が主要な産業となりました。1883年に鉄道が開通したことで市場へのアクセスが向上し、小麦の生産が拡大しました。その後、回転散水技術の導入が地域経済を大きく刺激しました。1957年にはコロンビア川沿いにモロー臨港地区が設置され、さらなる発展を遂げています。

ボードマン近郊には、601メガワットの出力を誇る「ボードマン・タービン・コール・プラント」という石炭火力発電所があります。この発電所は、ポートランド・ジェネラル・エレクトリック、アイダホ・パワー、パシフィック・ノースウェスト・ジェネレーティング、ジェネラル・エレクトリック・クレジット・コーポレーションが共同で所有・運営しています。また、モロー港には、ポートランド・ジェネラル・エレクトリックが運営する「コヨーテ・スプリングスI」と、アビスタ・パワー社とミラント社が共同で所有し、PGEが運営する「コヨーテ・スプリングスII」という二つの天然ガス火力発電所があります。2012年には、シェファード・フラット風力発電所が開所し、再生可能エネルギーの導入も進んでいます。

政治

モロー郡は、東オレゴンの他の郡と同様に、共和党の支持者が多い地域です。2008年の大統領選挙では、有権者の約62%が共和党のジョン・マケインに投票し、約35%が民主党のバラク・オバマに投票しました。2004年の大統領選挙と比較すると、民主党支持者がわずかに増加しています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局によると、モロー郡の総面積は5,307平方キロメートルで、そのうち5,263平方キロメートルが陸地、43平方キロメートルが水面です。郡は、ギリアム郡、ウィーラー郡、グラント郡、ユマティラ郡、ベントン郡、クリッキタト郡に隣接しています。また、ユマティラ国立森林公園とユマティラ国立野生動物保護区の一部が郡内にあります。

人口動態

2000年の国勢調査によると、モロー郡の人口は10,996人、世帯数は3,776世帯、家族数は2,718家族でした。人口密度は1平方キロメートルあたり2人、住居密度は1平方キロメートルあたり1軒です。

コミュニティ

モロー郡には、ボードマン、ヘプナー、イオネ、イリゴン、レキシントンなどの市があります。また、非法人地域も存在します。

交通

モロー郡には、ボードマン空港とレキシントン空港の二つの空港があります。主要な幹線道路としては、州間高速道路84号線、オレゴン州道74号線、オレゴン州道206号線、オレゴン州道207号線が通っています。

出典・外部リンク

Morrow County
Morrow County Parks
* Morrow County History @ the State of Oregon Archives

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