モンタナの目撃者

モンタナの目撃者

『モンタナの目撃者』（原題：Those Who Wish Me Dead）は、マイケル・コリータの同名小説を原作とし、2021年に公開されたアメリカ合衆国のウェスタンスリラー映画です。監督はテイラー・シェリダンが務め、主演はアンジェリーナ・ジョリー。共演にフィン・リトル、ニコラス・ホルトらが名を連ねています。原作小説の著者であるコリータ自身に加え、チャールズ・リーヴィット、テイラー・シェリダンが脚本を手がけました。

物語は、法廷会計士である父オーウェン・キャサリーの殺害現場を目撃してしまった10代の少年、コナー・キャサリーを中心に展開します。父を手にかけた冷酷な殺し屋であるブラックウェル兄弟に追われることになったコナーは、広大なモンタナ州の荒野へと逃げ込みます。その過酷な自然の中で彼を発見し、保護しようとするのが、森林火災消防隊員（スモークジャンパー）のハンナ・フェイバーです。ハンナは過去の大規模な山火事で複数の命を救えなかったことによる深いトラウマを抱えていますが、追っ手から少年を守るため奔走します。彼らが逃げ惑うのは、まさに大規模な山火事が迫りつつある危機的な状況下。炎、追っ手、そして厳しい自然が三位一体となって彼らに襲いかかり、壮絶なサバイバルが繰り広げられます。

主要な登場人物には、過去の経験から心に傷を負いながらも少年を救おうとする森林消防隊員ハンナ・フェイバーをアンジェリーナ・ジョリーが演じます。日本語吹替は本田貴子が担当しました。父の死を目撃し、孤独な逃避行を強いられる少年コナー・キャサリー役にはフィン・リトル（吹替：松本沙羅）。コナーを執拗に追跡するプロの殺し屋であるブラックウェル兄弟には、パトリック役でニコラス・ホルト（吹替：鈴木崚汰）、ジャック役でエイダン・ギレン（吹替：上田燿司）が出演しています。彼らに殺しを依頼したアーサー・フィリップをタイラー・ペリーが演じるほか、この地域の保安官であるイーサン・ソーヤー役にジョン・バーンサル（吹替：坂詰貴之）、その妻アリソン役にメディナ・センゴア（吹替：阿部彬名）など、実力派キャストが脇を固めています。

本作の企画は2019年1月に公になり、アンジェリーナ・ジョリーの主演とテイラー・シェリダンが監督・脚本を務めることが発表されました。ジョリーにとって約11年ぶりの本格的なアクション映画への復帰作であり、役作りのために実際の森林消防隊員から話を聞くなど、役柄へのアプローチを深めたといいます。ニコラス・ホルト、タイラー・ペリー、ジョン・バーンサル、エイダン・ギレンといった追加キャストが同年4月までに決定。主要撮影は2019年5月から7月にかけてニューメキシコ州で行われました。音楽はブライアン・タイラーが担当しています。

配給はワーナー・ブラザース・ピクチャーズとニュー・ライン・シネマが手がけ、アメリカでは2021年5月14日に劇場で公開されると同時に、ワーナー・ブラザースの方針に基づき動画配信サービス「HBO Max」でも期間限定で同時配信されました。日本国内では、同年9月3日に劇場公開されています。

公開後の批評家の評価は賛否が分かれました。映画レビュー集積サイトの『Rotten Tomatoes』では、219件のレビューをもとに批評家支持率が62%、平均点が10点満点中5.7点となり、「伝統的な90年代のアクションスリラーのスタイルを踏襲しつつ、テイラー・シェリダンの演出力によって質の高さを保っている」といった肯定的な意見が見られました。一方、『Metacritic』では、41件のレビューに基づく加重平均値が59/100と、概ね平凡な評価に留まる結果となっています。

出典や外部リンクについては、公式サイト、allcinema、KINENOTE、IMDbなどで詳細を確認できます。

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