モントリオール万国博覧会

モントリオール万国博覧会（Expo 1967）

モントリオール万国博覧会、通称Expo 1967は、1967年4月28日から10月27日までカナダ・モントリオールで行われた国際博覧会です。このイベントはカナダ建国100周年を祝う一環として企画され、62の国が参加し、183日間の開催中に5,031万人の来場者を記録しました。そのテーマは「人間とその世界」。

背景と開催経緯

モントリオール万国博覧会の構想は1956年にさかのぼります。当時、カナダの保守党上院議員マーク・ドルアンがブリュッセル万博でカナダの建国100年を記念して万博を開催するべきだと提言しました。その後、開催地はトロントに提案されましたが、政治的な理由で拒否されました。しかし、モントリオール市長のサルト・フルニエが博覧会開催に賛同し、カナダが万博招致を国際事務局に申し入れることになりました。

1960年に開催されたBIE会議では、モスクワが開催権を獲得しましたが、1962年にソビエト連邦が経済的な問題から開催を返上したため、カナダでの開催が決定しました。モントリオール市はセントローレンス川に人工島「ノートルダム島」を建設することで会場を確保しましたが、土地の高騰など周辺の懸念もありました。

主要人物と準備

準備は難航し、組織委員会の多くが1963年に辞職しました。この時、自由党のレスター・ピアソン政権が誕生し、カナダ進歩保守党の元首相が指名した役員たちが辞任に追い込まれました。新しく任命された外交官ピエール・デュピュイは、国外のパビリオンを誘致するために奔走し、1964年と1965年のほとんどを125カ国を訪問しました。

彼のサポートを受けたロバート・フレッチャー・ショーが運営の副社長を務め、アンドリュー・ニーワッサーが中心となった「レ・デュー」と呼ばれるチームが準備を進めました。歴史家のピエール・バートンは、万博の成功は英語圏のコミュニティとフランス語圏のコミュニティの協力によるものだと指摘しています。

テーマ決定

1963年には、カナダの有識者たちがテーマを検討し、「人間とその世界」（フランス語: Terre des Hommes）が採択されました。このテーマは、サン＝テグジュペリの『人間の土地』に由来しています。

万博の成果

万博会期中、訪れた人々は多彩なパビリオンを楽しみました。特に注目されたのは、デュポン・カナダ公会堂、ハビタット67、ラビリンス、そして人間と健康に関する展示です。また、モントリオール万博の期間中、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領が「自由ケベック万歳！」と発言したことが外交問題に発展し、ケベック州の分離運動を加速させました。

万博の終了後、テーマパビリオンの多くは1968年から1981年まで夏季に開業を続けましたが、老朽化が進み、多くは撤去されました。現在、万博の跡地は一部の建物を残しつつ、公園として利用されています。多くのカナダ人にとって、モントリオール万博は国を代表する文化イベントの一つとして記憶されています。

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