モンマスの戦い

モンマスの戦い

モンマスの戦い（英: The Battle of Monmouth）は、アメリカ独立戦争中の1778年6月28日、ニュージャージー州のモンマス郡庁舎近くで行われた重要な戦闘です。この戦闘は、独立戦争におけるアメリカ植民地北部での最後の大規模な戦闘であり、アメリカの大陸軍とイギリス軍が対峙しました。

戦闘の背景

1777年秋、イギリス軍はフィラデルフィアを占領しました。一方同年の10月にはサラトガの戦いでアメリカ側が勝利し、バーゴイン将軍が降伏する事態が発生しました。この成功を受け、大陸軍の指導者であるジョージ・ワシントンは、戦局を有利に進めるための準備を進めていました。1778年初頭、フランスがアメリカ側に加わる決定を下し、イギリスは戦略の見直しを余儀なくされました。

その結果、イギリス軍のハウ将軍は辞職し、ヘンリー・クリントンが新司令官に就任しました。彼はフィラデルフィアから撤退し、ニューヨークに向かう必要がありました。これに対抗する形で、大陸軍はバレーフォージにて訓練を重ね、戦闘態勢を整えました。

戦闘の経過

6月28日、チャールズ・リー将軍が指揮する大陸軍はイギリス軍の後衛に対して攻撃を仕掛けました。この攻撃は初めは成功するかに見えましたが、イギリス軍の反撃によって状況は急変しました。リーは早期に全軍に退却を命じ、その結果混乱が生じました。

この緊急事態を受けて、ワシントンはリーダーシップを発揮し、戦闘を再開させるべく兵士を鼓舞しました。彼は2回にわたって指揮を取り、反攻を導きました。しかし、戦場では酷暑が二重の負担を強いており、多くの兵士が熱中症で倒れるという事態が発生しました。

結局、クリントンは兵士の疲労を考慮し、戦闘の中止を命じました。日が暮れる頃、戦闘は終了し、クリントンは所期の目的である撤退を成功させました。翌日、大陸軍はイギリス軍の退去を確認し、イギリス軍は無事にニューヨークへの移動を果たしました。

戦後の影響

モンマスの戦いは、独立戦争における重要な転換点となり、北部戦線における最後の大規模戦闘でした。ワシントンの軍は、イギリス軍と正面から向き合い、決して敗北を喫しなかったことは大きな意義を持ちます。この戦闘を受け、リーは軍法会議にかけられることとなり、有罪判決を受けて1年間の指揮禁止処分となりました。

また、戦闘後のフォローアップとして、大陸軍はニューヨークで新たな状況を見守ることになりましたが、北部での規模は小さくなり、その後主戦場は他の地域へと移りました。

戦の名残と伝説

モンマスの戦いには、モリー・ピッチャーという伝説が語り継がれています。彼女は自らの夫と共に戦場に赴き、夫が戦闘中に倒れた後に代わって大砲を操作したとの話です。もとは歴史的事実に基づくものですが、伝説化される過程で様々に変化しました。

現在、モンマスの戦場跡はよく保存されており、毎年6月の最後の週末には戦闘の再現イベントが行われています。戦争の記憶を伝え続けるこれらの取り組みは、独立戦争を忘れないための重要な文化資産となっています。

もう一度検索