モーゲンス・ヴェルディケ

モーゲンス・ヴェルディケ（Mogens Wöldike, 1897年7月5日 - 1988年10月20日）は、デンマーク出身の著名な指揮者であり、オルガン奏者です。彼はコペンハーゲンで生まれ、幼少期から音楽に親しみました。

ヴェルディケは、1916年から1919年までデンマーク王立音楽院で学び、カール・ニールセンに音楽理論を、トマス・ラウプにオルガンと教会音楽を師事しました。1920年にはコペンハーゲン大学で音楽学の修士号を取得し、学問的な知識も深めました。

卒業後、ヴェルディケはホルメン教会のカントルに就任し、教会音楽家としてのキャリアをスタートさせました。1925年には、恩師であるラウプの後任として同教会のオルガニストに就任し、その才能を発揮しました。その後、1931年からクリスチャンボー城教会、1959年から1972年までコペンハーゲン聖母教会のオルガニストを歴任し、デンマークの教会音楽界において重要な役割を果たしました。

一方、ヴェルディケは合唱指揮者としても精力的に活動しました。1922年にパレストリーナ合唱団、1924年にはコペンハーゲン少年合唱団を相次いで設立し、合唱音楽の普及に貢献しました。1929年からは聖アン・ギムナジウムで合唱指導にもあたり、後進の育成にも力を注ぎました。1932年には、自ら設立した合唱団のメンバーと共にデンマーク国立放送合唱団を結成し、その音楽監督として才能を発揮しました。また、1937年から1955年まではデンマーク国立放送マドリガル合唱団を指揮し、ルネサンス音楽の演奏にも力を入れました。

1943年から1945年まで、ヴェルディケはスウェーデン放送局の指揮者を務め、この頃からオーケストラの指揮も手掛けるようになりました。戦後は、世界各国のオーケストラに客演指揮者として招かれ、その卓越した指揮技術と音楽性で高い評価を得ました。

ヴェルディケの音楽への貢献は、数々の賞によっても称えられています。1954年にはニールセン賞、1976年にはレオニー・ソンニング音楽賞を受賞しました。

モーゲンス・ヴェルディケは、1988年にコペンハーゲンで生涯を閉じましたが、彼の音楽への情熱と貢献は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼は、デンマーク音楽界における重要な人物の一人として、その名を歴史に刻みました。

もう一度検索