モーニング (パチスロ)

パチンコ・パチスロにおける「モーニング」

パチンコ店やパチスロ店では、開店時間を利用した独自の営業戦略として「モーニング」と呼ばれるサービスが存在します。これは、開店直後の時間帯における遊技機の挙動を調整することで、客の来店を促し、稼働率の向上を図ることを目的としたものです。

パチンコにおけるモーニング

パチンコにおけるモーニングは、特定の機種において、開店直後に高い確率で大当たりや連チャンが得られるように設定されている状態を指します。これは、機種の内部的な仕組みを利用したもので、例えば、保留メモリーに特別な状態を設定したり、特定の条件下で高確率状態に突入する仕組みなどが用いられていました。

いくつかの代表的な例を見てみましょう。

『フィーバーレクサスシリーズ』（三共）、『ドンスペシャルB』（豊丸）：これらの機種では、開店直後に単発で当たりを引くと、その後連チャンが確定するといった特徴がありました。
『アレジン』や『エキサイト』（藤商事）：電源投入時に一定の確率で連チャンゾーンに突入する仕組みが搭載されていました。
『春夏秋冬』（西陣）：開店直後の最初のリーチで、大当たり確率が大きく変化するモードが選択され、高い確率で当たりが引けるモードが存在しました。
『ロックンビート』（マルホン）：開店直後のスーパーリーチを外れると、大当たり確率が上昇する「モーニング機能」が作動しました。
『ドリームEX』（奥村）：開店直後の回転数が一定数に達すると、大当たり確率が上昇する時短状態に突入する仕組みがありました。

これらのモーニング機能は、客寄せとして効果を発揮しましたが、一方で、不公平感を招く可能性や、射幸心を煽るという問題も抱えていました。

パチスロにおけるモーニング

パチスロにおけるモーニングは、開店時にボーナスフラグが既に成立している状態、または高確率状態に設定されている状態を指します。パチンコと同様に、開店直後の稼働率向上を目的として行われていました。

しかし、1996年以降、このようなモーニングの設定は警察の取り締まりの対象となり、1997年には実際に営業者が罰金刑を受ける事例も発生しています。そのため、現在では、公然とモーニングが行われることは非常に少なくなっています。

リセットモーニング

「リセットモーニング」とは、パチスロにおいて、設定変更（リセット）を行うことで、特定の機種で朝一の高確率状態や有利な状態を作り出す手法です。これは、機種の内部的な仕様を利用したもので、設定変更によって内部状態がリフレッシュされ、有利な状態に切り替わる機種が存在しました。

代表的な例として、

『主役は銭形』、『麻雀物語2』、『ジャイアントパルサー』など、設定変更でST（確変）のゲーム数がリセットされ、高確率のテーブルが選択される機種。
『吉宗』、『押忍!番長』など、設定変更でフェイク前兆に入りやすくなる機種。
『おそ松くん』など、設定変更で必ず高確率状態からスタートする機種。

などが挙げられます。

5号機以降も、リプレイタイム抽選状態から開始する機種や、ART高確率状態から開始する機種など、設定変更によって朝一に有利な状態になる仕組みを持つ機種が登場しました。

リセットモーニングは、設定変更が比較的容易に判別できるため、開店直後の稼働率向上に効果的ですが、これもまた、公平性に欠けるという問題点を孕んでいます。そのため、近年では、このような仕組みを持つ機種は減少傾向にあります。

まとめ

モーニングは、パチンコ・パチスロ業界において、開店直後の稼働率向上を目的とした営業戦略でした。しかし、その公平性や法的規制の問題から、現在ではその形態は大きく変化しており、かつてのような露骨なモーニングは減少しています。本記事で紹介した情報は、パチンコ・パチスロの歴史の一端を知る上で役立つでしょう。

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