モーリス・ジェルモー

モーリス・ジェルモー

モーリス・ジェルモー（Maurice Germot）は、1882年11月17日にフランスのアリエ県ヴィシーで生まれ、1958年8月6日に同地で亡くなった男子テニス選手です。彼は初期の全仏選手権や近代オリンピックにおいて特に活躍し、テニス界の歴史にその名を刻みました。

キャリアのハイライト

全仏選手権では、男子シングルスで3回優勝し（1905年、1906年、1910年）、男子ダブルスでは11回の優勝を果たしました。彼は特にダブルス競技においてマックス・デキュジスとのコンビで強さを発揮し、1904年の全仏選手権で初優勝を収めたのを皮切りに、1906年から1914年までの9年連続の優勝という偉業を成し遂げました。また、1910年のダブルスパートナーはデキュジスではなくマルセル・デュポンでした。

当時の全仏選手権はフランス人選手のみが出場できる特異な形式であり、試合結果や準優勝者の記録が完璧ではありませんでした。このため、ダブルスの記録では優勝者のペアが残っているだけです。ジェルモーは男子シングルスでも1905年、1906年、1910年に優勝しましたが、準優勝も3度経験しています。

オリンピックでの業績

ジェルモーが金メダルを獲得したオリンピックは、1906年アテネ中間五輪と1912年ストックホルム五輪です。アテネでは、デキュジスとペアを組んだ男子ダブルスで金メダルを獲得しましたが、男子シングルスではデキュジスに敗れて銀メダルとなりました。この中間五輪は現代ではオリンピック公式記録に数えられないものの、彼のテニスキャリアにおいては大きな意味を持つ大会でした。

続く1908年ロンドン五輪では屋外競技で準々決勝を途中棄権し、その4年後のストックホルムでは、アンドレ・ゴベールとのペアで室内競技の男子ダブルスに出場し金メダルを獲得しました。この大会では、ジェルモーとゴベールが地元スウェーデンの選手に勝利し、貴重なメダルを手にしました。かつては屋外と室内の2カテゴリーで競技が行われていましたが、テニスの室内競技はこの2回限りで廃止されました。

戦争とその後

第一次世界大戦の勃発により多くのスポーツ競技が中断され、全仏選手権も1920年まで再開されませんでした。終戦を迎えた後、初回の大会でジェルモーはデキュジスとペアで復活し、再び男子ダブルス優勝を果たしました。これにより、彼のダブルス優勝回数は11に達しました。1904年から1920年にかけて、彼はデキュジスとのチームで10回優勝しています。

影響力のある選手として

フランスのテニス界の初期時代に大きな影響を与えたモーリス・ジェルモーは、彼自身の技術と成績により、多くの後進の選手たちにも影響を及ぼしました。彼は1958年にヴィシーにて75歳で生涯を閉じています。彼の栄光あるキャリアは、今でも多くの人々に記憶され、敬意を表されています。

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