マックス・デキュジス

マックス・デキュジスの生涯と業績

マックス・デキュジス（Max Décugis）は、1882年9月24日にフランス・パリで生まれ、1978年9月6日に亡くなるまで、テニス界に輝かしい足跡を残しました。彼のフルネームはマキシム・オメール・デキュジスであり、フランスが誇る最初の偉大なテニス選手としての地位を確立しています。特に、全仏選手権では男子シングルスで8回、男子ダブルスで13回、混合ダブルスで7回の優勝を果たし、総計28タイトルを獲得した実績があります。国際舞台でも彼の活躍は著しく、1906年のアテネ中間五輪では、男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスでの3部門すべてで金メダルを獲得し、1911年にはウィンブルドン選手権の男子ダブルスでも制覇しました。さらには、1920年のアントワープオリンピックでも成功を収めました。

早期のキャリアとオリンピック

デキュジスは学生時代をイギリスで過ごし、18歳でパリ五輪に参加。アメリカの選手と組み、決勝ではイギリスコンビに完敗を喫しました。しかし、試合を通じて彼の俊敏な動きは高く評価され、弟のローレンス・ドハティーから「世界で最も有望な若手選手」と賞賛されました。1902年から全仏選手権で活動を開始し、男子ダブルスでは8連覇を達成。1903年には男子シングルスでも初優勝を飾ります。

この時期の全仏選手権には、選手のスコアや対戦相手の記録が欠落しているものが多く、デキュジスの詳細な業績に関する情報も断片的です。しかし、彼は長い間、同僚選手のモーリス・ジェルモーとしばしばダブルスでペアを組み、またシングルスの決勝でも戦ったことが知られています。

1906年のアテネ中間五輪では、彼は男子シングルスでジェルモーを破り、男子ダブルスでもコンビを組んで地元ペアに勝利。驚くことに、混合ダブルスでは妻のマリー・デキュジスと組むことで、3つの金メダルを全て手に入れるという偉業を成し遂げました。残念ながら、この年のオリンピックも現在の公式記録には含まれていません。

全仏選手権での活躍

デキュジスは、1911年にウィンブルドン選手権の男子ダブルスでも優勝し、数多くの全仏選手権のタイトルを重ねました。1914年までに彼の記録は男子シングルス8勝、男子ダブルス12勝、混合ダブルス6勝に達しました。しかし、大正時代の第一次世界大戦の影響で全仏選手権は1920年まで中断されました。

戦後、38歳になったデキュジスは、再びその舞台に戻り、モーリス・ジェルモーとのコンビで男子ダブルスと、スザンヌ・ランランとの混合ダブルスにおいて復活優勝を果たしました。男子シングルスではアンドレ・ゴベールに敗れましたが、同年のアントワープ五輪でも金メダルを手にし、男子ダブルスでは銅メダルを獲得しました。

引退とその後

デキュジスの最後の全仏男子シングルス決勝は1923年で、ここでは41歳にして準優勝を果たします。この頃には、記録も正確に保持されるようになっており、彼の業績は多くの人々に知れ渡りました。1925年からは全仏選手権が国際大会として改編され、フランス選手以外にも出場資格が与えられるようになりますが、デキュジスの活躍はその数年前に幕を下ろしていました。

選手としての引退後、デキュジスの私生活についての情報はほとんどありませんが、彼は長寿を全うしました。彼は全仏選手権の黎明期に大きな足跡を残し、96歳の誕生日を間近に控えた1978年9月6日、フランス・ビオットでこの世を去りました。彼の業績は、今なおテニスの歴史に輝かしく刻まれています。

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