モーリス・ヤメオゴ

モーリス・ヤメオゴ（1921年12月31日 - 1993年9月15日）は、オートボルタ（現在のブルキナファソ）の政治家であり、初代大統領（1960年 - 1966年在任）を務めました。

生涯と政治

ヤメオゴは、コートジボワールのウフェ＝ボワニ大統領を称賛し、親西側諸国との外交を重視する政策を採用しました。一方で、国内政治においては一党制を導入し、反体制派を排除するなど、権力基盤の強化を図りました。政権後期には、その政治姿勢はパラノイア的な傾向を帯びるようになったとも言われています。

1946年には、西アフリカ全体の政党組織として「アフリカ民主連合(RDA)」が結成され、オートボルタではその支部としてヤメオゴをリーダーとする｢ボルタ民主同盟(UDV)」が設立されました。ヤメオゴは、初期の頃から政治活動に積極的に関わっていたことがわかります。

1948年にはフランス領西アフリカ大評議会議員に選出され、1957年には農相、1958年には内相を歴任するなど、着実に政治家としての階段を上っていきました。1958年12月には、オートボルタが自治共和国として成立すると同時に首相に就任し、独立後の1960年12月には大統領に就任しました。1965年10月には再選を果たし、国防相も兼務するなど、権力を一手に掌握しました。

失脚

しかし、ヤメオゴ政権は政治腐敗と経済政策の失敗により、国民の不満を増大させていきました。特に、厳しい財政緊縮策は国民生活を圧迫し、不満の大きな要因となりました。1966年1月3日、ついにサンゴール・ラミザナ大佐による軍事クーデターが発生し、ヤメオゴ政権は崩壊しました。このクーデターは、労働組合、伝統的な首長、聖職者らが組織した平和的な抗議活動が背景にありました。

失脚後、ヤメオゴは1969年4月に公金横領の罪で逮捕され、同年5月には裁判で重労働5年の判決を受け、服役しました。しかし、1970年8月には減刑され、釈放されました。初代大統領としての栄光から一転、逮捕、投獄という屈辱を味わうことになったのです。

モーリス・ヤメオゴの生涯は、独立後のアフリカ諸国が抱える政治的課題、すなわち、権力集中、腐敗、経済運営の失敗などを象徴していると言えるでしょう。

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