ブルキナファソ

ブルキナファソ

ブルキナファソは、アフリカ大陸の西部に位置する内陸の共和制国家で、周囲にはマリ、ニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワールと国境を接しています。首都はワガドゥグーで、この都市は政治・経済の中心地です。国の標語である「Unité, Progrès, Justice」は、統一、進歩、正義を意味し、国の理念を表しています。

歴史的背景

この国の主な民族グループであるモシ人が、11世紀と13世紀にこの地に定住しました。彼らはヴォルタ川上流にモシ諸王国を形成し、その後、19世紀末にフランスの植民地となった経緯があります。1960年にはオートボルタ共和国として独立し、後に国名をブルキナファソに変更しました。この新しい国名は、モシ語で「高潔な人々の国」を意味しています。

国の建国者トーマス・サンカラは、独立以来数々の社会改革を実行しましたが、クーデターで命を落としました。その後も政治状況は不安定で、何度も軍事クーデターが発生しています。最近の情勢では、2022年に再びクーデターが起き、軍事政権が権力を掌握しています。

現在の状況

2023年時点で、約200万人が国内避難民として生活を余儀なくされるなど、政情は悪化しています。ブルキナファソのGDPは162億ドルとなっており、そのほとんどが金の輸出に依存しています。また、国内には約63.8%がイスラム教徒で、26.3%はキリスト教を信仰しています。

言語と教育

公式言語はフランス語ですが、モシ語をはじめとする先住民族の言語が多く、教育制度は小学校から大学まで整備されています。ただし、識字率は非常に低く、15歳以上の国民のうち識字率は21.8%にとどまっています。教育の質についても課題があります。

労働と経済

ブルキナファソの経済は主に農業に依存しており、労働者の約78.4%が第一次産業に従事しています。特にゴマや綿花の生産が重要で、国の外貨獲得の大きな柱となっています。しかし、農業は洪水や旱魃といった自然災害の影響を受けやすいデリケートな状況にあります。また、金の採掘は古くから行われており、外資系企業の投資も進んでいますが、それに伴う児童労働の問題も懸念されています。

社会と文化

ブルキナファソは多民族国家であり、モシ人に加えてフルフル人、グルマンチェ人、ボボ人など多様な民族が共存しています。音楽やダンス、視覚芸術が盛んで、特に映画制作においてアフリカ最大規模の映画祭である『ワガドゥグ全アフリカ映画祭』が開催されていることでも知られています。

ブルキナファソにおける治安状況は不安定で、特に過激派によるテロの影響を受けています。南部や都市部では窃盗や暴力犯罪も増加しており、国際的な援助や関心が求められています。国際関係も多様で、中国やフランスとの間で経済的な結びつきがあり、日本とも経済協力を進めています。

結論

ブルキナファソは、歴史的背景が豊富で多様な文化を持ちながらも、様々な課題を抱えている国です。独立以降の政治的不安定さや経済問題、治安の難しさは、国民にとって大きな試練となっています。これからの発展には内外からの協力が不可欠と言えるでしょう。

もう一度検索