ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!

ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!

『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』（英題：DO・IT!）は、1971年に制作された劇場用アダルトアニメーションです。原作は、当時の人気ギャグ漫画家である谷岡ヤスジによって描かれました。この作品は東京テレビ動画（後に日本テレビ動画）が手がけ、日本ヘラルド映画によって配給されました。本作は公開当時から非常に過激な内容であり、様々なテーマを扱っているため、注目を集めました。

公開と評価

『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』は1971年9月24日に日本全国の映画館で公開されました。このアニメは、特にその過激な性描写や暴力シーンにより、当時の映倫から数カ所のカットを命じられるなど、大きな議論を呼びました。劇場公開時のキャッチコピーは、当時の社会を風刺するかのような強烈なものが多く、特に「サーモンピンクのふくらみにドバーッと鼻血をぶっかけてどぎつく割り込め! やっちまえ!」など、話題を呼びました。しかし、公開直後に観客の反応は冷淡で、わずか1週で打ち切りとなってしまいました。興行的にも評価は低く、作品は市場から消えてしまう運命をたどりましたが、後にカルト映画として再評価されることになります。

あらすじ

物語は、女にモテない上に金もない中年男、プス夫を中心に展開します。プス夫は恋心を抱く同僚ユキ子にアプローチし、セールスマンとして成功を収めますが、結婚初夜には悲劇が待ち受けています。変異した赤ん坊「ムジ夫」が生まれるなど異常事態が続く中、プス夫は次第に精神的に追い詰められていきます。最終的には彼の家庭環境や性に関する苦悩が極限に達し、劇的な結末へと向かいます。

作品の意義

本作は、谷岡ヤスジの原作の中から切り取られた要素が敷き詰められたような構成です。作品内ではナンセンスギャグやエログロ表現が随所に見られ、当時のアニメ映画としては類を見ない規模の挑戦を示しました。特に、プス夫の過激な行動やその結果に対する無情さが強く刷り込まれ、その印象は今なお多くの映画ファンの記憶に残っています。これにより、作品は1970年代の日本社会の隠された側面を反映しているとも考えられています。

リバイバルと再評価

2005年には、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に正式出品され、海外の映画祭でも注目を集めました。また、歴史的な意義からも再評価が進み、2019年には初のHDニューマスター版DVDとして発売される運びとなりました。これにより長らく忘れ去られていた作品が新たに息を吹き返し、視聴者に対しても新たな体験を提供することとなりました。

最後に

『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』は、日本のアニメ史において一目置かれる作品です。その過激さや表現技法は、後の作品にも影響を与え、多くの議論を呼び起こしました。時代を超え、現代でもその存在は多くの人々に認知され続けています。また、カルト的な人気を持つこの作品は、単なるエロティシズムを超えた複雑なメッセージを持っている点においても、今後も注目され続けることでしょう。

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