日本テレビ動画

日本テレビ動画の歴史と作品

日本テレビ動画（にっぽんテレビどうが）は、1971年に創立され1973年に解散したアニメ制作プロダクションです。この会社の起源は1965年に設立された製作会社「国映株式会社」にさかのぼります。当初、この会社は教育映画や成人向け映画を制作していましたが、テレビ制作部門の中にアニメ制作の部門が設立され、これが後に日本放送映画と命名されました。

1966年には日本放送映画のアニメ制作部門が独立し、日放映動画スタジオが設立されました。中心人物としては、東京ムービーから移籍した岡本光輝と新倉雅美が名を連ねていました。しかし、最初の事業は『冒険少年シャダー』で納品トラブルが発生し、これをきっかけに新倉は東京テレビ動画を立ち上げることとなります。

東京テレビ動画では、引き続き日本テレビ製作のアニメーションを独占して制作していましたが、外部のスタジオを利用しており、専属のアニメーターを雇わなかったため、多くのフリーランスの才能がそこで活躍しました。富野喜幸（のちの富野由悠季）や岡迫亘弘などの監督もこの時期にデビューしています。

1971年に日本テレビ動画が設立されると、彼らはすぐに日本テレビとの接点を強化し、いくつかのアニメを放送しました。代表作には、初の国産テレビアニメ『戦え!オスパー』や、ジャンプ原作の『男一匹ガキ大将』があります。これらはすべて平日夕方の帯に放送され、視聴者からの支持を受けることに成功しました。

しかし、少しずつ問題も浮上し、1971年の春に日本テレビとの関係が悪化。金銭トラブルが原因とされ、東京テレビ動画は仕事を干されることになりました。このトラブルは、プロデューサーの藤井賢祐が新倉との贈与の見返りに発注をしていたことが発覚したためとされています。また、同時期に別のアニメの企画を巡って京都の放送局が優遇されるという不満があったといわれています。

新たに設立された日本テレビ動画は、1971年11月に再出発を果たしますが、代表取締役の新倉自身は映画製作に乗り出し、谷岡ヤスジ原作のアダルトアニメ『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』を制作しましたが、興行は大きな失敗に終わりました。その後、1972年には『アニメドキュメント ミュンヘンへの道』や、短命だった『モンシェリCoCo』など、続けて制作を試みましたが、新倉の名前がクレジットから消えるという混乱も生じました。

1973年には『ドラえもん』の制作がスタートしますが、これと同時に新倉が突如失踪し、経営は混乱。最終的に日本テレビ動画は短い歴史の後、わずか2年弱で解散を迎えました。その後、残った元スタッフたちは失業保険を受け取りつつ、労働組合を結成し、活動を続けていくことになるのです。

日本テレビ動画が制作した作品の多くは短期間で終了しており、これは視聴率の低迷や旧体制からの影響があったとも考えられます。アニメの権利問題も残っており、多くの作品が行方不明となっています。さらに、今もなお著作権の帰属元が曖昧な作品が存在していることも、業界全体の課題といえるでしょう。

会社が解散した後も、多くの作品が再放送やビデオソフト化されるなどして、ファンの記憶に残り続けています。ドラえもんの初期版は、その後再放送されなかったものの、様々なメディアでの再評価がなされています。このように、日本テレビ動画は短い歴史ではあったものの、日本のアニメ史において重要な役割を果たしました。

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