ヤスミラ・ジュバニッチ

ヤスミラ・ジュバニッチ（Jasmila Žbanić, 1974年12月19日生まれ）は、ボスニアヘルツェゴビナを代表する映画監督であり、脚本家としてもその才能を発揮しています。彼女の作品は、社会的なテーマを扱いながら、人間の内面を深く掘り下げることで、国際的な評価を得ています。

ジュバニッチ監督の代表作として知られるのが、2006年に発表された『サラエボの花』（原題：Grbavica）です。この作品は、1990年代のボスニア紛争後の社会を舞台に、戦争の傷跡を抱えながら生きる女性の姿を描いています。ベルリン国際映画祭に出品され、最高賞である金熊賞を受賞したほか、エキュメニカル審査員賞、平和映画賞も受賞するなど、高い評価を受けました。

2010年には、『サラエボ、希望の街角』（原題：Na putu）を発表。この作品では、イスラム過激主義の問題に触れながら、夫婦の愛と葛藤を描いています。社会的なテーマを扱いながらも、登場人物の感情を丁寧に描き出す作風が特徴です。

2020年には、『アイダよ、何処へ？』（原題：Quo Vadis, Aida?）を発表。1995年のスレブレニツァ虐殺を題材に、国連職員として働く女性の視点から、戦争の悲劇を描き出しました。この作品は、ヴェネツィア国際映画祭で上映され、高い評価を受けました。

近年では、テレビドラマの監督も務めており、2023年には人気ゲームを原作としたドラマ『The Last of Us』のエピソード監督を担当しました。映画だけでなく、テレビドラマの分野でもその才能を発揮しています。

ヤスミラ・ジュバニッチ監督は、ボスニアヘルツェゴビナの現代史を背景に、人間の尊厳や希望を描き出す作品を数多く手掛けてきました。彼女の作品は、観る者に深い感動と問いを与え、社会に対する意識を高める力を持っています。今後の活躍も期待される、重要な映画監督の一人です。

フィルモグラフィ

『サラエボの花』 - Grbavica （2006年、監督・脚本、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞）
『サラエボ、希望の街角』 - Na putu （2010年、監督・脚本）
『アイダよ、何処へ?』 - Quo Vadis, Aida?（2020年、監督・脚本）
The Last of Us (2023年、テレビドラマ、監督)

外部リンク

ヤスミラ・ジュバニッチ - KINENOTE
ヤスミラ・ジュバニッチ - allcinema
* Jasmila Zbanic - IMDb（英語）

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